アプリ制作の流れを把握して業務理解に役立てる

昨今はアプリ制作のための様々なツールや仕組みが整備されたことにより、アプリ制作の敷居は格段に下がりました。プログラミングを基礎から学べる無料サイトや格安のプログラミングスクールが流行るなど、個人がアプリを制作する環境が非常に充実してきています。
しかし、アプリを「作る」ことだけがアプリ制作ではありません。全体を俯瞰してアプリ制作を進めることが大切です。この記事では、これからアプリ制作を検討している方に向けて、アプリ制作の流れをご紹介します。

目次CONTENTS

  1. マーケティング企画
  2. 収益計画
  3. コスト確認
  4. 基本設計
  5. 開発
  6. 動作確認
  7. 申請 / 公開
  8. 運用保守
  9. 全体を俯瞰したディレクション

マーケティング企画Marketing

アプリ制作を始める前に、なぜそのアプリを制作するのかを再考する必要があります。ユーザーの立場になって、徹底的にそのアプリの価値を見直して、アプリの目的を明確にしていきます。
ユーザーがそのアプリを利用することで、どのような利便性があるのか。ユーザーのどういった悩みを解決するのか。アプリを制作する側の想いをユーザーに押し付けるプロダクトアウトの発想ではなく、ユーザーの視点に立ったマーケットインの発想でアプリ制作の目的を定義していきます。
スマホユーザーは日常的に10個のアプリを使っていて、1ヶ月に30個のアプリを使うという調査結果があります。つまり、ユーザーに選ばれるアプリには限りがあるということです。
どうすればスマホユーザーが日常的に使うアプリの1つになれるのか。これには、「誰の」「どんな悩みを」「どうやって効果的・効率的に解決できるか」という、ソリューションのレベルの高さを徹底的に追求していく必要があります。
出典:TechCrunch https://techcrunch.com/2017/05/04/report-smartphone-owners-are-using-9-apps-per-day-30-per-month/

収益計画

アプリは制作すること自体が目的ではなく、制作後にユーザーに利用してもらい、何らかの形で収益化を図るところまで考える必要があります。収益を生み出さないアプリは、そもそも継続して存続させることができないからです。
収益を得るための方法はいくつかありますが、主なものを4つ紹介します。

• 有料ダウンロード:
App storeやGoogle Playなどからアプリをダウンロードする際に、有料でダウンロードしてもらう稼ぎ方です。

• アプリ内広告:
アプリ内広告は、 アプリ内に表示されるバナーがクリックされることで収益が発生したり、メニュー内に含まれるオファーウォール広告がクリックされることで収益が発生するパターンです。

• アプリ内課金:
アプリ内課金とは、 アプリ内で+αの機能を使う際に、「機能の購入」を促す収益化の方法です。ゲームアプリのアイテム購入なども、アプリ内課金の形の1つです。

• 定額課金:
定額課金とは、予め定めた料金を継続的に支払うことでアプリ内の機能が自由に使えるというマネタイズ手法です。マンガなどの週刊誌も今ではこの定額課金で読めるようになっています。

詳しくは、「Androidアプリとアプリの開発環境の違い」を参考にして下さい。
どのような方法で収益化を図りかだけではなく、いつまでに収益化するかも考える必要があります。どういったマーケティングプランで制作したアプリをユーザーに認知させ、毎月どれくらいのペースでダウンロードしてもらい、いつから収益化を図るのかなどの計画です。

コスト確認Cost

マーケティング企画をもとに、収益計画を詳細に立てれば、何にどれくらい費用を投じても良いのかが判断できるようになります。
アプリの制作は、その機能を充実させようと思えばいくらでも充実させることができます。ある機能を開発するか否か、あるいはどの段階で開発するかの判断軸が無いと、開発費が想定以上に重くなってしまうこともあります。

基本設計Design

なぜこのアプリを制作するのかを明確にした後は、どうやってそれをカタチにしていくかの作業となります。この作業は頭の中でざっくりこんな機能があればいいなと想像するのではなく、実際に紙とペンを使って描き出してみることをおすすめします。ツールを使って綺麗に整理するのは後からでも構わないので、まずはラフ案をどんどん出していきましょう。

・画面構成:レイアウト、デザインをどうするか
・画面遷移:どこをどうクリックするとどの画面に移動するか
・機能:ここをタッチするとどのような動作になるか

などについて、まずはユーザーになりきって理想的なあるべき姿を考えます。
先に競合企業のアプリを見てしまうと、どうしてもそのレイアウトや機能に引っ張られてしまいます。よって、まずはユーザー視点のあるべき論から考えて、自分(やチーム)内で考え尽くした後に、その比較対象としての競合のアプリや、あるいは競合に限らずベストプラクティスと比較して差を埋めていきます。
上記の画面構成・画面遷移・機能を描く際は、エンジニアやデザイナーと相談しながら描き進めていくと、その後の開発を見据えた効率的な要件定義ができます。

開発Development

アプリを開発する上では、こちらの記事で概要をまとめています。
アプリ開発するならどっち? スクラッチ開発とツール利用のメリット・デメリット
アプリを開発する上では、いわゆるゼロから作るスクラッチ開発を行うか、アプリ開発プラットフォームを利用してカスタムオーダーするかという選択肢があります。また、スクラッチ開発の場合、開発作業を自社内で行うのか、外部に委託するのかという選択肢もあります。より短期間で安価に開発することを重視するなら、アプリ開発プラットフォームの利用が有効です。

動作確認Check

アプリを本番に公開する前に、アプリが設計通りに正しく作られているかを確認していく動作確認が必要です。自社開発で行う場合は問題ないのですが、外部に委託して開発する場合はこの動作確認は極めて重要です。
通常システム開発においては瑕疵担保責任が設定されています。瑕疵担保責任とは、納品から一定期間以内に見つかった不具合は無償で修正するというルールです。しかし、動作確認をきちんと行わず、瑕疵担保期間後にバグを見つけて修正依頼を出しても、別途料金となってしまいます。
アプリが設計通りに動いているかを確認する作業はとても退屈な作業です。よって、例えばアルバイトを雇うなどして、バグチェックを行ってもらうというのも1つの手でしょう。もちろん、最終的には社員間で動作確認をする必要がありますが。

申請 / 公開Application / Release

動作確認がひと通り完了し、設計通りにきちんとアプリが開発できていることが確認できたら、アプリを公開します。アプリを公開するための手順はプラットフォームにより異なります。
詳細はこちらの記事で紹介しています。
「iPhone、Androidアプリ申請方法とリジェクトリスク」

(1)iPhoneアプリ
新規のアプリの場合は、iTunes Connectに登録します。それから Provisioning ProfileをXcodeで開きArchiveしたら、iTunes Connectにアップロードし、アプリ情報を登録して申請します。審査には以前なら1〜2週間程度かかっていましたが、2017年時点では数日程度で完了する場合もあります。

(2)Androidアプリ
まずGoogle Play デベロッパーアカウントを登録する必要があります。開発したアプリのAPK形式ファイルを作成したら、アプリを管理するGoogle Play Developer Consoleにアプリ情報を登録しアップロードします。Android の場合、審査はなく、数時間から1日で公開に至ります。

運用保守Maintenance

アプリは公開してそれで終わりというわけではありません。アプリをダウンロードしてくれたユーザーからの問い合わせに対応したり、不具合を修正したり、バージョンアップを行ったりと様々な作業が発生します。
アプリの完成度を高めるために、日々こうした運用保守を通してアプリを改善していく必要があります。こうした運用保守をおざなりにすると、ユーザーのアプリ利用の満足度が下がり、ユーザーが離れていってしまう一因となります。

全体を俯瞰したディレクションDirection

アプリを制作する上で大切なのは、開発それ自体だけに時間と意識を取られるのではなく、アプリ制作の目的から、運用後の収益化までを見据えてそれぞれのプロセスを考えることです。

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