【最速レポート】“新たな小売の黄金時代の幕開け“とは?──米国SHOPTALK2025現地より

ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。
今日はラスベガスで参加中のSHOPTALK2025の速報をお送りします。

SHOPTALKは小売業者10,000人程度が集まるイベントで、まさに今の小売の課題について話し合うイベントです。
今年のテーマは「A GOLDEN DAWN」。小売における新たな黄金時代への幕開けです!

新しい小売の黄金時代に向かうための3つの条件が揃ったのです。

1,顧客インサイト

・顧客データの取得、蓄積、活用により、かつてないスケールで顧客を理解できる様になり、パーソナライズとロイヤルティの向上が可能になった。
・顧客の「価値観」が大きく変化し、新たな競争環境が生まれていた。

2,顧客のアクセシビリティ

・チャネルの多様化により、顧客が企業にアクセスする環境が整った。
・顧客も企業も「即時性」を求めるが、同時に「教育」、「発見」、「体験」の重要性が増し、顧客と企業は今まで以上に「感情的なつながり」を持つ事が可能となった。

3,顧客の声の影響

・顧客とのコミュニケーションは今まで以上にパーソナルに、アプリなどを通じて直接意見交換する事が可能となった。
・ソーシャルコマース×インフルエンサーの影響力は更に増した。
・データとアプリを駆使したロイヤルティプログラムが可能となった。

これらに取り組む小売業が次の黄金時代への切符を手に入れたのです。黄金時代は真の顧客中心の時代です。

 

そしてこの顧客中心主義を実現する4つの柱が以下です。

1,顧客ホスピタリティ(Customer Hospitality)

・テクノロジーと人間味をバランス良く融合して心地よく迎え入れる空間とサービス。
・ロイヤルティプログラムの進化(パーソナライズ、ゲーミフィケーション、コミュニティ形成など)がカギ。
・サブスクリプション型や有料メンバーシップの導入も注目。

2,インスピレーション(Inspiration)と発見の瞬間を提供

・AIやビジュアル検索の進化により、商品発見の経路が多様化。
・ソーシャルコマースの拡大により、SNS上での検索・発見・購入の一体化。
・ブランドは視覚的アイデンティティと、クリエイターとの本物のつながりが求められる。

3,存在意義(Reason for Being)の明確化

・小売業やブランドが「顧客にとってどんな存在か」を明確にすることが成長戦略の基盤に。
・新しい収益源(リテールメディア、B2Bソリューションなど)には魅力があるが、既存ビジネスとのバランスが重要。

4,価格以上の「価値」を提供

・顧客にとっての「価値」は価格だけでなく、時間・体験・感情・倫理観といった複数の要素から成る。
・経済の不安定さの中で、AIを活用した価格戦略や在庫管理の重要性が増している。
・効率的な運営と顧客エンゲージメントは両立可能で、それがこれからの成功のカギとなる。
・従業員へのデジタル投資は必須になり、業務効率化、即戦力化、従業員エンゲージメントに力を入れる

このように、非常に整理されたイベントでこれらのテーマに沿ったいくつものセッションが繰り広げられています。
こちらの内容は次回以降のメルマガはもちろん、報告会も企画していますので楽しみにお待ちください。

エグゼクティブスペシャリスト 伴 大二郎
小売業界においてCRMの重要性に着目。一貫してデータ活用の戦略立案やサービス開発に従事した後、2011年にオプト入社。マーケティングコンサルタントを経て、2015年よりマーケティング事業部部長として事業拡大に向けた組織作りに着手。マーケティングマネジメント部やOMO関連部門等々を立ち上げ、統括しながらエグゼクティブ・スペシャリストという立場から社内外への発信活動を行う。2021年6月、ヤプリに参画。