ロイヤルティプログラムの再考。 「クーポンだけで顧客と繋がる」はもう卒業

ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。

今回は6月3〜5日にスペインのバルセロナで開催されたSHOPTALK Europeのリポートをお届けします。
SHOPTALKでは色々なテーマにそってトークが繰り広げられますが、今回は『ユニファイドコマース』についてです。

ユニファイドコマースはオムニチャネルを前提に、顧客とのコミュニケーションを通じて取得するデータを活用し、
顧客一人一人の体験を充実させる事に重きを置いています。

その上で、ユニファイドコマースで目指すものは、新しいビジネスモデルへの完全移行です。

SHOPTALKで小売業者がユニファイドコマースに期待するものして挙げるのは、
平均注文額の増加、販売損失の削減、運用コストの削減、より確実な在庫管理、顧客ロイヤルティの向上、従業員体験の向上、ラストマイルマージンの向上、顧客獲得、アップセルとクロスセルの増加、クロスチャネル顧客体験の向上など、
具体的なビジネスの改善項目で、ユニファイドコマースが顧客体験の向上を軸にした強固な利益体質の構築という事が明確に定義化されています。

チャネルを用意しくっつける「オムニチャネル」との違いがここですね。

※小売業者が挙げたユニファイドコマースから期待されるメリット

ユニファイドコマースの完成を目指すために最も重要とされるのが、顧客接点とファーストパーティーデータであり、それを実行する仕組みとしてのロイヤルティプログラムです。

ほとんどのロイヤルティプログラムは再構築する必要があると言われています。

下記スライドが示すように、機能的なロイヤルティとしての「ポイント」や、「サブスク化」だけでなく、デジタル接点を有効活用した、「会員価格」、「パーソナルオファー」、「メンバー特典」などを有効活用しながら、「顧客に対するサプライズ」や「コミュニティー」、「VIPイベント」顧客とエモーショナルに繋がる仕組みを組み合わせて行く必要があるでしょう。

ホテルグループのハイアットやコーヒーチェーンのスターバックス、コスメチェーンのセフォラなどはこれらを混み合わせて活用している事例として紹介されています。

当然、これら全てを模倣するのではなく、自社と自社の顧客にとって何が必要なのかを見極めることが重要です。
そして利益に繋がる事も重要なポイントで、顧客をLTVを高める仕組みになっているかは重要なポイントとなります。

せっかくアプリ化した会員プログラムが、ポイントやクーポンを送りつける情報配信リストとしての繋がりになってしまってないでしょうか。
エンゲージとLTVが上がる仕組みに、進化させる事が必要となりますね。

エグゼクティブスペシャリスト 伴 大二郎
小売業界においてCRMの重要性に着目。一貫してデータ活用の戦略立案やサービス開発に従事した後、2011年にオプト入社。マーケティングコンサルタントを経て、2015年よりマーケティング事業部部長として事業拡大に向けた組織作りに着手。マーケティングマネジメント部やOMO関連部門等々を立ち上げ、統括しながらエグゼクティブ・スペシャリストという立場から社内外への発信活動を行う。2021年6月、ヤプリに参画。

 

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関西発ラーメン店神座
会員ランクに応じた CRM施策をアプリで