ノーコードツールAdaloの衝撃

今回はAdaloというノーコードツールをご紹介しようと思います。

Adaloはノーコードツールではあるものの、デザインツールや開発ツールとしての側面を兼ね備えており、高機能なモバイルアプリを開発することができます。データベースやAPI接続機能、ロジックを組むこともできることから、ノーコード=制限が多いというステレオタイプは当てはまりません。
本記事ではこのAdaloというツールがいかに強力かをご紹介したいと思います。

Adalo基本編

2021年に収録したノーコード座談会の動画を元に、ご紹介をしていきます 。2本分の収録となっており少し長いため、サマリも載せておきたいと思います。

ツールの基本情報

まずは一本目をご覧ください。 Adaloは2018年に創業して間もない会社が提供しているツールで、本社はアメリカのミズーリ州です。まだまだ国内では知名度が低いものの、グローバルでコミュニティが育っており、国内においても界隈では最も人気のあるツールの一つとなっています。

特にBtoC向けのモバイルアプリが得意で、一つのツールからAndroid, iOS両方のアプリを開発することができます。動画内ではBtoCのマーケティング支援ツールとして分類しているものの、基本的にはどのようなカテゴリのツールでも作れてしまうのがAdaloの柔軟性の高さといえます。ただし、ECなどバックエンドの作り込みがユーザーの体験や機能に大きく影響するカテゴリについては、他のツールが向いていると言って良さそうです。

プロダクトとしては、登録後にすぐ使える無料枠、契約してから使える有料枠に分けられています。無料枠でも、アプリを作るために必要となるほとんどの機能を利用することができるため、登録直後から一通りのアプリの開発が可能です。プレビュー用にURLを発行したり、仲間に共有する機能まで備わっています。モバイルアプリの場合、ビルドしてストアに申請する作業が必須となるのですが、その前段として実施するビルド機能までも管理画面から辿ることが可能です。ただし、ストア公開を見越した機能となるため、ビルドするタイミングで契約が必須となります。他にもAPI連携機能など、より高度な機能を作る場合には有償化が必要です。

アプリの制作手順

制作手順は次の4つのステップとなります。
①UI/UX設定
②データベース設定
③UI/UXとデータベースの接続
④動作確認

上記ステップを細かく説明していきましょう。

まずはデザインツールのような管理画面で、スクリーンや、スクリーンに載せる部品を選択肢し、UI/UXを作成していきます。部品を組合わせていくだけで制作が可能です。

続いてデータベースの設定に入ります。ここでは、データベース内のテーブルを自身で定義することが可能です。テーブル名、カラム名、他テーブルのカラムの参照設定などを行うのですが、ここではある程度テーブル設計を行った経験が必要となります。ただ、EXCELシートのような直感的なインターフェースのため、ソフトウェアエンジニアでなくとも十分対応可能な範囲と言えます。

続いて、UI/UXとデータを関連づけます。ステップ①で行ったUI/UX設定では、データを関連づける前提の部品があるため、そこに対してどのテーブルのどのカラムかを指定してあげます。さらに、複数のデータを表示する部品に対しては、例えば並び順を指定することも可能です。

最後に自身のスマートフォンでプレビューし、デザインや機能の確認を手元で行い、微調整していきます。全て作り終えた後のテストにもプレビュー機能は使えるかと思います。なお、Adaloではすぐに別アプリを立ち上げることが可能なため、使い方にしっかり慣れるまでは何度も作り直すのが良いかもしれません。

Adalo応用編

ここからは、Adaloのもう少し細かな設定方法や、API接続、エキスパート制度など、応用に入っていきます。


UI/UXとデータベースの接続

こちらの動画ではまず、基本編でお伝えした「③UI/UXとデータベースの接続」についての詳細・応用をご紹介しています。

動画の中ではInstagramのクローンを作っており、まず、投稿画像を表示する画面において説明を行っています。ここでは投稿画像を表示・いいねを行う部品を設定しており、データとの紐付けを行います。今回は、Postsという投稿内容を保存するテーブルを作成したため、そのテーブルとの接続設定を行いました。Filter機能によって「All posts=全ての投稿」を指定していることから、デフォルトでは全ての画像が表示されます。ただ、アプリ上の検索窓に入力した文字列(inputという変数に対応)によって検索をかけると、説明文にその文字列を含む投稿内容に対応する画像のみが表示されます。また、降順・昇順など並び方も好みに合わせることが可能です。

ここでは画像表示の部品を紹介しましたが、他にも様々な部品が揃っており、部品ごとに設定項目が異なるため、機能を作り込むことが出来ます。

API接続

もう一点お伝えしておきたいのは、有料プランでのみ利用可能なAPIの接続機能です。通常API接続には、Requestするための設定が必要となり、それらの設定はある程度の慣れが必要となります。そのため、Webやモバイルアプリ開発に携わった経験のある方の方が取り組みやすいかもしれません。基本的には、ボタンをタップするなど何らかのアクションにひもづいており、アクションが発火するとAPIが叩かれる仕組みになっています。設定としては、次のようなものがあります。

  • HTTP method
  • ベースのURL設定
  • header
  • クエリパラメーター
  • body

一般的なAPIの疎通と何ら変わらない設定ではあるものの、これをノーコードで実現しているのは開発者としてかなり助かると思います。なお、他のノーコードツールでもこのようにAPI接続を設定する機能は備わっていることが多く、業界ではスタンダードと言っても過言ではありません。SIerが担当するような規模の大きなサービスを作るノー/ローコードツールも例外ではありません。このような仕組みが普及した背景としては、複数のツールを組み合わせることでサービスを成立させることがソフトウェア開発では一般的であること、また、昨今のSaaSの勃興によりAPIでSaaSどうしを接続することが頻繁に行われるようになったことが挙げられるかと思います。

Adaloでは、APIから返却された値をテーブルに保存、または表示するなどの設定ももちろん可能となっています。 このように、Adaloは若干難しい設定を含むものの、この設定を乗り越えることで、高機能なモバイルアプリを開発できるのが最大の特徴と言えます。

開発支援

とはいうものの、初めてAdaloを使ってモバイルアプリを作るのはハードルがかなり高いと思います。

例えば、アプリのデザイン、テーブルの設計、どの部品を使うべきなのか、等々悩みは尽きません。こういったユーザーの悩みを手助けするために、彼らはエキスパート制度を設けています。全て開発を委託する、デザインについて助言をもらうなど、活用の仕方は様々のようです(詳しくはこちら)。

特にモバイルアプリ開発に関わったことのない方は、ストアへの申請が大きなハードルになるかもしれません。申請後、特にiOSの場合は却下されることも多く、その理由は英語の文面に綴られてメールで送られてくるだけです。そのため、多方面でのサポートは欠かせません。

まとめ

今回はAdaloについてご紹介をしました。スタートアップのMVPとして使われることも増え、事例としてはこちらのモバイルオーダーアプリが界隈では有名です。このアプリの驚くべきところは、ユーザー側、レストラン側、管理側の3つのアプリを1ヶ月半という超短期間で作ったという点です。そのくらいAdaloは効率的に幅広いアプリを作ることができる優れものです。最近では、データの読み書きに対するパフォーマンス改善なども行っており、MVPツールとしてのある種レッテルを打ち破るべく開発を推進しているようです。

みなさんも、Adaloでアイデアを形にしてはいかがでしょうか!

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