ECからリアル店舗出店へ、キュレーションEC「HATCH」のこれから

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キュレーションECサイト「HATCH(ハッチ)」です。サイトオープン4周年を迎えて、リアルイベントを開催、そして8月20日には初の実店舗を神楽坂la kagu(ラカグ)にオープンしました。今回は、オープンしたばかりのラカグ内HATCHの店舗でeight代表の三浦さんにお話を伺ってきました。

スモールECサイトをスタートして、いつかは実店舗をオープン!と考えている方に参考になればと思っています。また、大手企業が中心に取り組みをはじめている「オムニチャネル」は、規模の大小に関わらず顧客のニーズに応える、顧客接点を創造するという意味では関係ありません。その辺りのヒントになればと考えています。

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HATCHは、セレクトショップではなくキュレーションECサイトです。そのため、サイトのトップページには、商品写真ではなくセレクター(キュレーター)の人たちが並びます。そして、そのセレクター達が自分の好きな(愛用している)商品を独自のコメントと共に紹介し、購入することができます。

一般的にセレクトショップであれば、お店やブランドのバイヤーやMDが商品を選定し、販売しますがHATCHの場合は、このセレクターたちが最も他店と違う差別化のポイントです。

HATCHを運営するeightの代表三浦さんは、もともとZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ出身です。日本最大級のファッションECモールでの経験を活かし2011年に独立をしています。スタートトゥデイ在籍中は、買収したクラウンジュエル(ZOZO USED運営会社)の役員なども担当し、ファッションに経営にとても長けた人物です。

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今年8月には、サイト運営4周年を記念し渋谷でイベントを開催しています。HATCHのセレクターが実際に会場で様々なトークセッションをしたり、リアルフリマなどの複合イベントです。私も会場に足を運びましたが、大盛況。普段は雑誌などでしか見れないデザイナーさんの話を直接聞ける場はとても貴重な体験でした。

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そして、8月20日、神楽坂のla kagu(ラカグ)に初の常設SHOP IN SHOPをオープンしました。ラカグは、元々新潮社の倉庫をリノベーションしてできた商業施設です。ファッション・生活雑貨・家具などの販売に加え、カフェ、レクチャースペースが併設されたライフスタイルのキュレーションストアとなっています。こうしてみると、ラカグとHATCHのコンセプトは、元々近しいものだったのかも知れません。

 

なぜリアル店舗を構えようと思ったのか?

「今まで何度もポップアップショップ(百貨店やファッションビルの中の期間限定店舗)を出店していましたが、ポップアップだけをやり続けていても本質的にはあまり意味のないことだと思っていました。短期的には認知度向上があっても、長期で見るとそこまで効果がなく、常設の店舗を持ちたいと考えていました。そこで、サザビーリーグさん(ラカグの運営会社)からお話を頂きまして、ラカグのコンセプト、客層なども考えて、とてもHATCHと相性が良いと判断し出店を決めました。」(三浦さん)

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ラカグ内のHATCHの店舗には、たくさんの厳選された商品が並びます。ラカグ自体が高単価な商品を多く扱う店舗のため、あえて低価格で衝動買いや、お土産需要を見込んだ商品ラインナップにしているそうです。

 

実際に常設の店舗を作っていかがですか?

「とても好評を頂いております。ラカグの他の商品と違い、HATCHの店舗内には各セレクターのPOPでコメントを付けています。商品を選ぶ際に、お客様がコメントを丁寧に読んで頂いているので、非常に店内の滞在時間も長く購買に繋がっています。ラカグでHATCHを知って、ECサイトでリピーターになって頂くようなお客様も増えてきました。オーガニックの検索数も、大幅ではありませんがゆっくりと伸びてきています。この辺りはポップアップではなく、常設で店舗を出しているメリットだと思っています。」(三浦さん)

 

今後の展開について教えてください。

「HATCHの特徴でもある、セレクターは今後も順次増やしていきます。ラカグでは女性ののお客様が多いので、女性セレクターの獲得にも注力していこうと思っています。8月に行ったリアルイベントも好評だったため、イベントも継続して行っていく予定です。ラカグにも、レクチャースペースもあるので、こちらも活用して行きたいですね。

あとは、HATCH発信のメディアを作る予定です。HATCHは、セレクターが選んだ商品を販売するキュレーションECですが、コンテンツが少ないと考えています。セレクターが増えるタイミングでコンテンツと商品が増えますが、それ以外の期間に発信する情報が少ないんですよ。せっかくここまでセレクターというHATCHに参加してくれる方が増えてきたので、他にはない魅力的なメディアを作れると考えています。」(三浦さん)

今回はキュレーションEC「HATCH」の実店舗オープンについて取材させて頂きました。三浦さんとは、もともとカラーミーショップ繋がりで知り合いでしたが、4年間丁寧にECサイトを成長させている印象を持っていました。なので今回のお店オープンは個人的にも嬉しいですし、これを機にさらに人気店になっていくと確信しています。

神楽坂ラカグもとても素敵な店舗なので、ぜひ足を運んでみてください。

プロフィール:

株式会社eight 代表取締役
三浦 有人(みうら ゆうじん)

愛知県出身。国税局退社後、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイにアルバイトで入社。スタートトゥデイでは、経営企画室マネージャーとして、グループ全体の事業戦略及び数値計画の企画・立案を遂行。M&A・アライアンス部門の責任者として、エグゼキューション全体も多数経験。また、クラウンジュエルへの投資を実行し、同社取締役に就任、成長戦略を立案実行。2012年12月に、HATCHを運営するeight co.,ltd.設立、代表取締役就任。