Yappliを導入したきっかけ
弊社はベーカリーとパティスリーのブランドを展開しています。2017年より創業ブランドであるANTIQUEのアプリを運用していましたが、OSのアップデートやお客様のご要望への対応など、その都度改修コストがかかっていました。また、コロナ禍でお客様のニーズが変化する中、本当に求められていることは何か、弊社の店舗に来ていただくにはどうすればいいのかなど、お客様をより深く理解し、それに基づく施策を展開する必要がありました。
Yappliを選んだ理由は大きく二つあります。一つはノーコードでアプリコンテンツを更新できるため、社内に専任担当者を置かず運用できる点。もう一つはお客様との接点のクオリティを高め、アプリから得られたデータによって、お客様の情報と現場で起きていることを精緻に知り、より効果的なマーケティング施策を展開できる点でした。
Yappliと、1 to 1の顧客体験を実現するYappli CRMをセットで活用することで、会員証の発行、マイル付与から、アプリ内行動データの取得と分析、さらにはプッシュ通知など多彩な施策の設計・実行を行えるのです。2021年12月、弊社全ブランドで利用できる「オールハーツ・カンパニー公式アプリ」の運用を開始しました。
アプリの活用方法
ご購入金額に応じてマイルを付与する施策を実施し、マイルが一定数たまると、値引きのクーポンを取得することができます。この施策によって来店動機が高まり、リピートしていただくきっかけが生じています。店舗のレジでお客様がアプリの会員証を提示し、スタッフがそれを読み取ると、マイルが付与されます。従来はPOSレジのデータしかありませんでしたが、Yappli CRMのデータをCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)内で連携させることで来店日時やお買上げ金額など、より精緻なデータを得られるようになりました。
プッシュ通知はお客様がアプリを起動する機会を増やし、アクティブユーザーになっていただくために有効です。あるブランドの新商品情報やセール情報をプッシュ通知する際、Yappli CRMのデータをもとに、“そのブランドの店舗が最終購入店舗だったお客様”に絞ってセグメントプッシュを実施しています。そのお客様に適した情報をお知らせすることで、より効果的な集客や販促が実現しています。
また、お客様の行動履歴を日時で正確に追えるようになったため、お客様からのマイル付与や商品についてのお問い合わせに対しても、より正確でスピーディーに対応できるようになりました。
導入後の効果
旧アプリの会員登録数は約21万人で、アクティブユーザー数は約8万人でした。2021年12月に新アプリをリリースした際、半年くらいかけて旧アプリのユーザー数を超えればいいかなと考えていましたが、初月でたちまち10万ダウンロードを超えました。2022年3月には約18万ダウンロード、会員登録数約16万5千人に達し、さらに増加を続けています。
Yappli CRMによって、お客様の来店頻度や購入金額、属性などを正確に把握できるようになったため、実際の顧客像や行動履歴が具体的に見えてきました。今後、たとえば〇〇県の30代の女性がどのような商品を買っているかなど、より詳細な分析を行っていきたいと考えています。
また、ベーカリーブランドでは店舗スタッフとお客様が会話する機会がなかなか生まれにくいのですが、アプリのダウンロードをお客様にお勧めすることで、コミュニケーションをとるきっかけになったという声が上がっています。ダウンロードをスムーズに行っていただくため、パンを取るトレイのそばにダウンロード用二次元バーコードを提示するなどの工夫をしています。
今後の展望
アプリユーザーの方々に、もっとご来店いただき実際に購入していただけるよう、Yappli CRMの機能を活用した様々な施策を実施していきます。
現在、弊社ではYappli CRMがMAの機能を担っていますが、Yappliを通じて得られるアプリ以上の機能によって、マーケティングにおける変革を起こせるのではないかと考えています。今後Yappli CRMがCDPやMAなど外部システムとの連携をさらに強化することで、より多くのメリットが得られると思います。
Yappli CRMによって得られたデータや気づきを生かし、最適なプッシュ通知などお客様に響く働きかけを行うことで、さらに高度な1 to 1の顧客体験を実現させていきます。