株式会社エー・ピーホールディングス
マーケティング本部/炭火焼鳥塚田カンパニー 副本部長/社長
高平 学 氏
マーケティング本部 マーケティング・コミュニケーション部
マネージャー
原中 泉 氏

産地と店舗、顧客を
つなぐ新アプリへ。
“自分だけの農場”で
地鶏ファンを増やす

この事例の結論・要点
  • 動機
    • コロナ禍を経て客層に変化
    • アクティブユーザー数が減少
    • ブランディング強化の必要性
  • 活用
    • アプリで産地をより身近に
    • アプリ内で地鶏を育てる新体験
    • スタッフ向けコンテンツも用意
  • 効果
    • 課題だったDAUが約2倍に
    • 新施策で「再来店」が増加
    • スタッフ育成にも好影響

Yappliを導入したきっかけ

コロナ禍を経て客層に変化が。
新たな課題とブランディング強化の必要性

塚田農場は独自の「生販直結」モデルを強みとしており、契約農家さんに生産していただいた地鶏を弊社の加工場で加工、流通、店舗で販売することで生産者の顔が見える商品提供を行なっております。アプリリリースは2017年で、当初はYappliではなく別会社で開発を行いました。九州・宮崎や農場にフォーカスして外食産業を盛り上げたい、来てもらえるお客様に暖かなもてなしをしたいという想いがアプリ導入のきっかけとなりました。

サービス戦略としては、紙のスタンプカード時代からリピーターの方に好評だった「名刺制度」を導入。これは来店ごとにポイントを付与するものでポイントに応じて会社の役職になぞらえ出世していくというサービスです。出世するとお店からは出世祝いがもらえたり、最高の役職になると「株主総会」と呼ばれるイベントがあったりと、多くの方に愛されてきた制度でした。

ところがコロナ禍を経て顧客の約8割を占めていた会社員層に変わって若年層が増加傾向に。名刺制度の施策自体があまり響かなくなってしまったことに加えて、コンテンツも限定的でアクティブユーザー数が減少。そこで原点に立ち返り、塚田農場の一番の強みである、産地・生産者との繋がりを活かしたアプリにできないかと。「日本一の鶏屋」というブランディングを強化し、顧客により付加価値を感じてもらうためのOMOとしてアプリリニューアルを決断し、Yappliへ移行しました。

アプリの活用方法

目玉はアプリ内で地鶏を育てる新機能。
スタッフ限定のコンテンツも盛り込む

リニューアルアプリの目玉は約15年にわたって続けてきた名刺制度を卒業し、お客様には「農場長」となって「MY農場」をアプリ内で持ち、そこで地鶏を育てられる、ゲーム要素のある体験を新たにご提供しています。ご来店&チェックインをする、名物の地鶏炭火焼を注文するといった実店舗でのアクションや、アプリ内のクイズやくじ、スタンプラリーを楽しんだり、読み物コンテンツを読むことによって「経験値」が貯まります。貯まれば貯まるほど大きく育っていく鶏を最終的に出荷し、様々な報酬を獲得することが可能。クーポンをはじめ、中には新メニューへの試食会への参加権利や、塚田農場のゆかりの地である宮崎県への往復航空券をゲットできるような豪華プレゼントもご用意しています。

また、スタッフ向けのコンテンツも実は盛り込まれていて、専用のモードに切り替えると生産者さんからの情報や、商品情報の詳細、動画教育コンテンツなどをチェックすることができます。アプリ内の体験としてはかなり多く、細かいカスタマイズのご相談もさせていただきましたが、一緒に伴走する形で柔軟にサポートいただけたのはとてもありがたかったですね。管理画面も使いやすく、日本一の鶏屋として実現したかった世界観を高いデザイン性で反映できていると思います。そして現在はYappli CRMも導入し、お客様のタイプに合わせたコミュニケーションを設計できる基盤が整ってきています。

導入後の効果

アプリで「2回目の来店」が増加。
CRMやOMOの軸として機能

地鶏を育てる体験によってお客様のアクションにも良い影響が出ており、特に手応えを感じているのは「再来店」についてです。新規のお客様に対し、2回目のご来店を促すことが課題の一つだったのですが、再来店をするとアプリを通じて特別なプレゼントがもらえる「金の卵」という施策をすることによって、新規のご来店から約2ヶ月以内で再びいらっしゃったお客様が大きく増えました。売上で換算すると、2024年8月のアプリリニューアル時からのまだ短い期間にもかかわらず、既に約500万円にものぼっており、CRMやOMOの軸としてのポテンシャルを早くも発揮し始めています。

ダウンロード促進に関しては、スタッフによるご案内と店内に配置しているPOPを中心に取り組んでいます。店舗にいらっしゃったお客様と我々が接するタッチポイントを5回と定め、ご滞在いただく約2時間のトータルでお客様のエンゲージメントをしっかり高められる体験設計を意識しており、アプリのご案内をするのは一番最後にすることにしています。ご来店いただいてすぐにアプリ訴求をするのではなく、まずは自慢の鶏料理を召し上がっていただき、料理へのこだわりや背景をご紹介するのはその後。ただの居酒屋で終わってしまうのではなく、最初から最後まで鶏屋であるという印象をお持ちいただくことを念頭に、「また来たい」と思っていただける最適なタイミングでアプリをご案内しています。

効果と今後の展望

リニューアル後にDAUが約2倍にアップ。
お客様のエンゲージメントを高めていく

リニューアルからまだ日は浅いものの、DAU(Dairy Active User)は大きく変化しており、リニューアル前と比べて約2倍に増えています。コアファンの方々がご覧いただいているアプリ内のページ数も倍くらいに伸びています。

中でも大きな変化を感じたのがプッシュ通知に対する反応です。これまで主にプッシュ通知の反応が良かったのは、例えばクーポンのご案内だったのですが、最近ではそれよりもファンコミュニティサイトがオープンしたことをアナウンスする内容の方がより好反応だったんです。これはお客様と深くつながり続けるという意味において非常に喜ばしいことでした。エンゲージメントを測り、高めていくのはアプリに他ならないと思っているので、今後もより一層、アプリでの取り組みを盛り上げていきたいと考えています。具体的には地鶏が育つ農場の様子をライブ中継したり、名物スタッフを店舗で発見してもらうお楽しみコンテンツだったり…と、現場のリアリティを伝えることで店舗・産地・顧客の結びつきが強くなるような機能改善を行い、信頼関係をますます強固なものにしていきたい。

長期的な展望としては、点で存在しているデジタルツールを統合していくことも検討しています。さらには顧客情報を活用して店舗での飲食状況や来店頻度に合わせて様々な販促を実施、レコメンドするなど、お客様とのつながりをより深くしていくことを意識していければと思います。

株式会社エー・ピーホールディングス 塚田農場カンパニー
九州料理やみやざき地頭鶏・黒さつま鶏等の地鶏に特化した居酒屋「塚田農場」を中心に、「炭火焼鳥塚田農場」、北海道十勝地方の食材にこだわる「北海道塚田農場」、宅配・ロケ弁を扱う弁当事業の4ブランドを展開。居酒屋は66店舗、店頭販売型の弁当店8店舗を運営する。
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