Yappli UNITEを導入したきっかけ
オルビスには、店舗に来店されるお客様へ正しい情報をお届けし、生活面を含めたアドバイスを行うビューティーアドバイザー(以下BA)がいます。商品知識という意味で、専門性が非常に重要ですが、新商品はコンスタントに発売され頻繁に入れ替わります。現場でお客様と接するひとりひとりのBAに、スピード感をもって情報を伝えていくことに、課題を感じていました。
また、以前は新サービスの導入時に地方へ出張してレクチャーを行ったり、新商品の勉強会として代表者を集め、集合研修を行っていました。最近、弊社ではデジタルを活用したサービスを次々と展開しており、人海戦術を繰り返す方法では限界があると思ったんです。
これらを解決するために、私たちはアプリを採用しました。新しい機器を導入しないで済むこと、実際に利用するBAが使い慣れていることから、浸透すると考えました。
アプリの導入が決まり、スクラッチでは時間もお金もかかってしまうので、プラットフォーム型のサービスを探していました。Yappliは費用感がちょうどよく、アプリを見栄えよく制作できることが決め手となりました。弊社のブランドメッセージ「ここちを美しく。」をお客様に伝えるには、対面するBAが利用するツールも、メッセージに寄り添ったものを作る必要がありました。
アプリの活用方法
今現在、基本的な商品情報やマニュアル関連の資料は、全てアプリで閲覧できるようになっています。資料作成の担当者とアプリの運用担当者は、同じチームが担っていて、BAを通してお客様にしっかり情報が届けられるよう日々更新しています。
なかでも新商品情報は、お客様に熱意を持って伝えて欲しい1番のポイントです。見ていただきやすくするため、ウェブ閲覧を前提とした横スライドで制作していた資料を、スマートフォンでの閲覧を考えた縦スライドに変更しました。こうした工夫を通して、資料にしっかり目を通していただけていると感じています。
利用シーンとしては、BAが業務中に確認することもあれば、実は自宅に帰ってから勉強のために使用する方もいらっしゃいます。これまでは配布された紙の資料を持ち歩く必要があったため、荷物になってしまったり、欲しい情報がすぐに探せないという声があがっていました。実際に利用している方から「どこにいてもすぐに内容を確認でき、不安が解消されてすごくありがたい。」という声を多数いただいています。
今後さらにアプリをブラッシュアップしたいという思いはあるので、現場が求めている情報は随時追加していきたいです。あまり多くなりすぎても消化しきれなくなってしまいますし、まずはコンテンツを取捨選択し、絶対に必要な情報から届けられるよう段階を踏んで進めています。
導入後の効果
95%以上のBAがアプリを使っています。本部からはアプリのダウンロードを強制していませんが、みなさん自主的にダウンロードをして、しっかり学習につなげていただいています。
ここまで利用いただける理由は2点あると考えています。まず、ペーパーレスの実現です。これまで、勉強会の資料は紙で配布していました。情報発信する側としては、各店舗でファイル管理されている状態は、情報が集約されていると思っていたんです。ですがBAからすると、ファイルに保管されているのか、ポータルサイト上にも掲載されているのかが分からず、欲しい情報が散らばっている印象だったようです。アプリで確認できるようになってから、資料を探す手間や見返す時間が大幅に短縮され、その分お客様に時間を還元できるようになりました。増えすぎた紙の資料を探すうちに、諦めて探すのをやめてしまう可能性も考えられますし、もっと早く導入したかったなと思っています。
次に、アプリであれば、各自が見たい時に見たい情報を手元で見られる点が魅力的です。店舗にはパソコンが1〜2台しかなく、いつも自分で使えるとは限りません。また、ひとえに資料といっても、チーフ会議の資料、勉強会の資料など、様々な種類があります。これらがひとつにまとまっていて、かつ定期的に更新されるので、便利と思っていただけているのではないでしょうか。
今後の展望
まだ検討段階ではありますが、BAに向けた動画による研修やレクチャーを行う予定です。紙の資料は膨大な量になってしまいますし、重要なところが伝えにくいですよね。より見やすく、よりイメージしやすい学習ツールとして、アプリを教育に落とし込むことができるのでは、と思うんです。また、オンラインコミュニケーションが増えるなかで、少しでも人の温かみを補完できれば、とも考えています。
現状は、こちらから発信する一方通行のアプリになっていますので、もっとBAや店舗の声を吸収して、さらに学べるツールを目指します。実はBAや店舗から意見をいただく際、メールで連絡して印刷してスキャンして、というアナログなことをやっています。せっかくアプリが接点となっているので、改善要望などをより簡単にキャッチできるようにしていきたいです。
今後、テクノロジーを活用した高い体験価値を追求する為、DXを推進していきます。デジタル化が進んでも、店頭ではここちのよい接客を変わらずに続けていきたいですね。