Yappli UNITEを導入したきっかけ
モスバーガーチェーンのフランチャイズ本部として、弊社が全国のフランチャイズ加盟店と情報を共有するツールには、もともとインナー向けウェブポータル「e-mossles(イー・モッスルズ)」がありました。しかし請求書やマニュアルなど業務関連の情報が中心で、アクセス権を持つ加盟店のオーナーや店長には情報伝達ができても、アルバイトを含む店舗スタッフ一人ひとりにダイレクトに情報を伝えるには難しさを感じていました。
そうした方たちとのコミュニケーションを強化し、モスバーガーへの愛着心や帰属意識、従業員満足度を高めることは、人材定着による安定した店舗運営の実現、ひいてはお客様に提供するサービスの質向上につながります。
アプリ導入によって、アルバイトの方を含む店舗スタッフにダイレクトに情報を配信し、スキルとやる気の向上を支援することや、これまで「e-mossles」で生じていたコミュニケーションの隙間を埋めることなどを目的に、2019年12月、インナー向けアプリ「a-mossles!」をリリースしました。
アプリの活用方法
「a-mossles!」アプリは、モスバーガー創業者の言葉や理念を伝える「櫻田 慧 語録」、紙媒体のチェーン内報「モッスルズ」の電子版、商品製造の手順や接客などの動画が見られる「モスチャンネル」、教育コンテンツ「モスアカデミー」などから構成されています。ちょっとした息抜きになるようなエンタメ要素も盛り込み、アルバイトの方も気軽に活用し、楽しめるよう工夫しています。
モスバーガーのフランチャイズは全国に20の支部組織があり、昨今の動画活用の高まりにより、各支部で支部長のあいさつや支部主催のセミナー、支部内の表彰などの動画を作成する頻度も高まっていました。しかし既存の動画配信サイトでは、システム制約により支部ごとの配信が難しく、改修にも費用がかかるという課題がありました。アプリ導入によって、Yappliの「出し分け機能」を使い、ユーザーの所属支部・店舗の情報をもとに、その支部に合わせた動画の配信を行えるようになりました。
コンテンツ内にテキスト、図版などを自由に配置できる「フリーレイアウト機能」も非常に有用で、テキストだけで展開するのではなく、たとえば会話文とイラストを絡めたり、テキストの間に動画を配置して視聴させるなど、より充実したコンテンツの作成が可能です。また、ホーム画面にはアプリをインストールできる二次元バーコードを配置し、スタッフ間でインストールを勧めやすいようにしています。
導入後の効果
紙媒体のチェーン内報「モッスルズ」を「a-mossles!」アプリでも読めるようにし、紙媒体の発行を停止することでコストを削減することができました。
アプリのダウンロード数は6,663になり(2021年8月31日現在)、各店舗が実施した好事例などを、アルバイトの方も含めた全国の店舗スタッフに、直接届けられる環境が整いつつあります。これまで各支部で作成した動画は、支部会の会場で上映するしか公開の方法がなく、会に参加しなければ見られませんでした。アプリ導入後は、好きなときにいつでも支部ならではの動画を見てもらえるようになりました。地域貢献など、エリア活動に関連するコンテンツを配信したいという要望も増え、新型コロナウイルスの影響もあって、活用の度合いが高まっています。
モスバーガーは店舗スタッフ向けの教育・研修にとても力を入れてきました。ハンバーガーをつくるスキルの習得や接客マナーも大切ですが、最も重視しているのはモスバーガーの理念や基本方針をきちんと伝え、理解してもらうこと。ただし本部主催の研修を受講できるのは、店舗責任者クラスに限られてきました。チェーン教育の部門では2週間に1度、理念やモスの基本知識をテーマに5分程度で視聴できる動画をアプリへ配信しています。若年層が慣れ親しんだスマートフォンやアプリを介して、世代を超えて「モスの心」が届けられるようになってきたと感じています。
今後の展望
「a-mossles!」の「便利箱」というメニューから、ウェブポータル「e-mossles」、モス公式SNSなどのリンク集、マーケティングカレンダーなど様々なページやコンテンツに遷移できます。
アクセス権限があれば各種業務管理システムにもアクセスできるので、「a-mossles!」さえスマートフォンにインストールしておけば、パソコンの前に座ることなく、いつでもどこでも業務を行えます。こうした様々なシステムやコンテンツへの入口となる機能を強化し、店舗支援につなげていきたいと思っています。
また、本部からの一方向的な情報提供だけでなく、ユーザーが動画を投稿できる仕組みやアプリ内で完結するアンケートを実装するなど、双方向コミュニケーションを促進したいと考えています。Yappliにはそれらを実現するための機能開発やサポートを期待しています。
プッシュ通知についても、運用ルールをしっかりと整備し、通知する内容や配信する対象を適切に選択することで、上手に活用していきたいと考えています。