Yappliを導入したきっかけ
弊社は、自社ブランド「LeTAO(ルタオ)」を中心に、お菓子の総合プロデュース企業として幅広く事業展開しています。アプリはYappliの導入以前からあったのですが、ECサイトと同様にアプリでもオンライン購入できること以上の大きな体験はありませんでした。EC訴求に軸を置いていたため、例えば実店舗での取り組みについては発信できておらず、いわば“セールス感”が強過ぎるアプリだったことが課題でした。店舗ごとにSNSには取り組んでいましたが、運営スタイルは店舗によってバラバラだったので、あらゆる情報が一元的に網羅されている場所の必要性が浮き彫りになり、それをアプリが担えればと思ったのです。
そして、新たなアプリの目指す姿として、LeTAOのブランドや商品についてお客様が「知る」「楽しむ」を体感できるコミュニケーションツールとしての役割を持たせようとなり、これを実現するためにアプリの開発・運用方法から見直しました。
Yappliについてまず驚いたのは管理画面の洗練されたUIでした。たとえお客様が触れるUIが優れていても、その裏側の“管理体験”が悪ければ、結局アプリを活用しきれないと思います。しかし、Yappliなら無理なく自分たちで更新・運用できそうだと感じました。また、他サービスと比べても機能が全体的に進化しており、かつ、その機能は絶えずアップデートし続けることに惹かれ、導入するに至りました。
アプリの活用方法
Yappliをベースにリニューアルしたアプリをリリースしたのが2022年。同時期に刷新したブランドサイトと統一した世界観の演出にもこだわり、店舗のキャンペーンやアプリ限定のコンテンツなど、ECでのお買い物に限らず、幅広い目的でアプリを活用いただけるような体験を強化しています。
中でも人気を集めているのが「アプリコラム」。例えば、LeTAOのスタッフからの発信というよりも、単なるいちLeTAO好きの感想のようなニュアンスでおすすめのスイーツに関するレポを紹介しています。商品の詳細なスペックには言及せず、見た目や味の感想を親しみやすいテキストでまとめ、写真についても、カタログに使用しているような宣材写真ではなく、スタッフが実際に撮影したものをあえて採用。アプリを起点に、お客様とLeTAOスタッフの距離感が近づくような読後体験を目指しています。
また、コラムには自社スイーツだけではなく、小樽をはじめとした北海道の景色などを紹介する内容も掲載しています。北海道が大好きな従業員がお気に入りの風景をお届けするといったコンセプトで、有名な観光名所からマニアックなスポットまで、‟北海道の素敵”を見つけてもらえるような内容となっています。私たち自身が本当に小樽や北海道が好きなので、思い思いに楽しく書かせていただいているのですが、そこに込めた想いが伝わっているのか、想像以上にご好評いただいています。
導入後の効果
リニューアル後からの累計ダウンロード数は、旧アプリのダウンロード数を優に突破し、10万人の大台も大幅に達成。現在も順調にその数を増やしています。アプリをご利用いただいている「セッション時間」も約1.5倍に増え、コミュニケーションツールとしてしっかりと機能している実感があります。
そして驚きだったのが、セールス感が強過ぎるアプリからの脱却であったのにもかかわらず、結果的にアプリ経由での売上が以前と比べて200%以上もアップしたこと。購入者数もCV率も軒並み大きく向上しているので、本当にリニューアルして良かったと思っていますし、これらの結果を受けて社内全体におけるアプリの存在感が大きくなっています。
コンテンツに関しては、店舗情報やコラムなどの幅広いメッセージをリアルタイムにお届けできるようになったことが大きいです。特に、先にご紹介した北海道の景色などを紹介するコンテンツの反響が大きいことはとても嬉しくて、セールス感が強過ぎた従来のアプリから比べると、商品紹介とはまるでかけ離れている内容を発信することには実は並々ならぬ勇気が要りました。しかし、プッシュ通知の開封率の高さなどから、私たちが好きな北海道のことをお客様ももっと知りたいのだと思ってくださっていることを実感できましたし、更新も簡単なYappliを活用しているからこそ、このようなチャレンジにもトライしやすい側面はあると思います。
今後の展望
実店舗の取り組みを紹介すること、つまりアプリによるECと店舗の相互送客についても手応えを感じています。特に、アプリをダウンロードすると店舗で販売しているソフトクリームを1つ無料でお召し上がりいただけるクーポンをプレゼントしているのですが、この効果が絶大で多くのお客様にご利用いただいています。一方で、アプリならではの体験も強化したいと思っており、現在はアプリユーザー様は先行で限定商品をお買い求めいただける体験を提供しています。これらの施策を含め、アプリでの取り組みに関しては概ね好反応で、コアなLeTAOファンの獲得につながっている実感があります。
今後のアプリ運用については、「見て・読んで楽しい」「毎日覗きに来たくなる」施策やコンテンツをさらに増やしていきたいですね。例えばリール動画のような商品・おすすめ風景の紹介、イラストを用いた商品紹介など、新たなファン層獲得に向けてライトな読み物的コンテンツの充実を図っていけたらと思います。また、ブランドとしての価値をさらに高めるために、アプリ限定で、北海道産食材だけでつくるオリジナル商品の企画にも挑戦してみたいです。
LeTAOのバックグラウンドにある小樽や北海道には、まだまだ伝わっていない魅力がたくさんあります。それを商品やアプリ内でのコンテンツなどを通じて、もっとお届けしていきたいですし、Yappliのアプリならそれができると思っています。