Yappliを導入したきっかけ
鎌倉シャツは1993年に神奈川県・鎌倉にて創業し、「世界で活躍するビジネスパーソンをシャツで応援する」という企業理念のもと、日本製にこだわったビジネスシャツを中心に展開しています。
アプリを検討する最初のきっかけとなったのが「デジタル会員証」の導入です。運用していた紙のスタンプカードからデジタルポイントへの移行にともない、会員証機能をメインに、店頭でのお買い物をサポートするツールとしてのアプリ活用を検討していました。店頭とECの間で、お客様の体験が分断されてしまっていたことが課題でもあったため、デジタル会員証などによってOMOを強化できないかと思ったのです。
さらに、価格競争やトレンドに対応し続けることによる疲弊という問題がアパレル業界全体にあった中で、弊社もまた、明確な他社との差別化の必要性を感じてきました。最終的に定義した我々の強みは、日本製・高品質・適正価格を誇る製品の魅力はもちろん、鎌倉とともに歩むというブランドストーリーも含めて愛してくださるお客様の存在です。広告をほぼ出していないにも関わらずクチコミで広がり、親子二代でファンという方もありがたいことにいらっしゃいます。そういったお客様たちとの物語や、ものづくりへの姿勢をもっと伝えていきたいと思った際に、アプリならお客様との関係をより深く育むことができるチャネルになりうるのではないか。そう強く感じて、導入へと舵を切りました。
アプリの活用方法
アプリ導入にあたっては、シャツや服作りへの取り組みを圧迫しないよう、いかにコストをかけずにアプリ導入できるかがポイントでした。Yappliを選んだ決め手は、導入費用の予算をクリアしつつ、簡単な操作で頭の中に描いたものが可視化しやすい点です。
鎌倉シャツの世界観をアプリに踏襲することが可能で、コードを書けなくても直感的な操作でコンテンツの配信やUI設計ができます。たとえば、その日に発信することを退勤直前にさっと設定できるほどの手軽さで、それがとても魅力的です。
デジタル会員証ありきでスタートしましたが、ここ数年ではアプリ経由のオンラインショップ売上が予想以上に伸びてきたため、買い物体験をベースに様々な情報が得られるコンテンツハブとしてリニューアル。会員情報とアプリを連携した会員証機能や店舗・オンライン双方で貯められる&使えるポイントはもちろん、毎週新作が登場するオンラインショップでのお買い物、サイズだけではなく生地や襟型など好みのシャツを作れるオーダー機能、服の知識やお手入れ方法などを発信するオウンドメディア「読む、鎌倉シャツ」の読み物にいたるまで、顧客に伝えたい情報をほぼアプリに集約。お寺との共同イベントや地元の小学校で卒業時に桜で染めたハンカチをプレゼントするなど、鎌倉と歩むブランドストーリーの発信も行っています。今後はスタッフコーデやSNS投稿にもアクセスできるようにする予定です。
導入後の効果
弊社は店舗売上が6〜7割と多くを占めています。そのため、アプリダウンロードをお客様に促すためには、店舗との連携はマストでした。まずは店舗スタッフへ、アプリの有益性やその内容をレクチャー。ポイント制度を完全にデジタルへ移行しつつ、アプリをダウンロードすることによってポイント&送料無料クーポンをプレゼントする施策を行いました。店頭での積極的な声かけが功を奏し、1週間の購買客数の50%をスムーズにアプリ会員化することに成功。また、例年メルマガ経由で販売していた福袋を、思い切ってアプリ限定での販売に変更しました。通常は週500~600のダウンロード数ですが、福袋販売時は何と約4倍に。アプリ限定での販売は勇気の要る企画でしたが、既にアプリ運営の中で確かな手応えを感じられていたがゆえにトライすることができ、結果的に福袋の売上も期待以上の結果となりました。
アプリ運用で特に注力している点はプッシュ通知です。2~3日に1回、適度なペースで全体へ配信。内容は新作商品やお知らせが中心です。店舗ごとにお届けしたい情報がある場合は、セグメント機能を使って該当するお客様のみへ発信。また長期休みなど、お客様がゆっくり過ごされているタイミングでは「読む、鎌倉シャツ」から服の基礎知識や歴史、季節の情報などの記事をチョイス。アプリを起点に私たちの取り組みや思いを常に身近に感じてもらえるよう、工夫を凝らしています。
効果と今後の展望
現在ではアプリ経由のオンラインショップ売上は安定した結果を得られており、約20%/月を達成したこともありました。また、アプリ経由の購入単価のほうが高い傾向にあるので、こういったお客様をもっと増やせていけたらと思います。
毎週の新作をタイムリーに発信できることや、現場で感じたちょっとしたこと・スタッフが伝えたいプチ情報も気軽に伝えられるのも、アプリのメリットですよね。メルマガ、店舗別のインスタグラム、サイト、スタッフブログ…と様々なチャネルがありますが、今自分が求めている情報をぱっと探すのはなかなか難しい。アプリならこれらをひとつに集約して本当に欲しい情報を選べて、かつこちらからもプッシュ通知でお届けできる。顧客のみなさまと双方向で繋がれる、まさにハブの役割を果たしてくれる理想のツールだと感じています。アプリ会員の皆様は店舗・オンライン両軸で「鎌倉シャツ」を愛して下さるファンの方が多く濃度が高い。全体のエンゲージメントの母体になりうるので他チャネルにも還元していけたらと思います。
また、福袋の結果も良かったので、引き続きアプリ限定での企画を積極的に打ち出していきたいですね。他にもターゲットセグメントなど、よりパーソナライズ化したコミュニケーションを設計できる余地も数多くあると思うので、より良いアプリ体験をご提供できるように、ヤプリのご担当者さんと一緒に考えていきたいと思います。