アプリビジネス最新レポート Vol.34【導入事例 − ダスキン様】

情報伝達をアプリに移行
年間数千万円の会議費をゼロに

株式会社ダスキン
訪販グループ 戦略本部
事業開発部 ビジネスユース開発室 主任
伊東 孝 氏
訪販グループ 運営本部
近畿地域本部 管理室
永吉 幸穂 氏
事例ムービー
株式会社ダスキン

最前線で仕事をしている
現場と本部のやりとりを、
もっと密に、もっと人間味の
あるものにしていきたい

アプリを導入したきっかけ

本部から現場への情報伝達手段が
アナログすぎて、情報を正確に
伝えることができなかった

ダスキンの主力事業は訪販事業と飲食事業の2つで、私たちは近畿地域の訪販事業を担当しています。訪販事業では「お掃除」を中心とする16の事業を展開していて、それぞれが持ち味を活かして運営していたのですが、事業が増えるにつれ、縦割りが強くなってしまっていました。縦割りが強くなると、現場の方の負担が大きくなってしまいます。

ダスキンをお客さまに届けていただくお客さま係は、16の事業すべてのサービスを把握し、お客さまのニーズに合わせて提案します。各事業部からお客さま係へサービス情報を発信しますが、情報が多すぎて把握しきれなくなる。結果、お客さまに十分なご案内ができなくなります。

これまで、本部からお客さま係への情報伝達は4週間に1回実施される会議で行われていました。会議にはエリア内にある約200店舗の事業責任者が集まり、資料を見ながら口頭で情報共有を行います。

情報を受け取った事業責任者は、店舗に持ち帰り各リーダーに再び資料と口頭で情報共有します。そこから各リーダーがお客さま係にご案内するわけですが、こうやって伝言ゲームを重ねていけばいくほど、当然情報の精度は低くなります。結果、異なる情報がお客さまに伝わってしまうケースが度々起こってしまうんです。

お客さま係は年配の方も多く、ネット上に情報を掲載してもパソコンではなかなか見てもらえません。でも、パソコンは見なくてもスマホはよく使われるのではないか。スマホ用のアプリなら見てもらえるのではないかと。アプリで旬の最新情報や活動事例動画を配信すれば、会議での情報共有の代替になるのではと考え、導入することにしました。

アプリ導入に対し、当初は社内から多くの反対意見が寄せられました。特に「年配だとスマホは誰も持ってないんじゃないか」という意見が多かったので、実際、お客さま係の皆さんに確認してみたんです。すると、皆さん100%スマホを持っていました。これなら確実にいけると。

なぜYappliか?

とにかくスピードを重視した
自分たちで簡単に変更できるのは
Yappliしかなかった

一言で言うとスピードですね。別で会員向けのアプリを開発しているのですが、一つ変えるにしても毎回発注しなければいけないし稟議が必要で、とにかく時間がかかる。その点にジレンマを感じていました。私たちのアプリは本部と加盟店を繋ぐインナー向けアプリであり、1分1秒でも早く皆さんに情報を発信したい思いがあったので、それなら自分たちで操作できるのがベストだと。

その観点でいくと、Yappli以外で実現できる機能を持っているところはありませんでした。導入スピードもものすごく早かったですよ。「やりたいです」と手を挙げてからアプリができあがるまで、約2ヶ月しかかかりませんでした。本当に短い期間でできて良かったです。

アプリを導入してどうか?

情報伝達手段をアプリに完全移行
それまで定期開催していた
会議をゼロに

アプリを導入した結果、お客さま係全員に直接情報を伝えられるようになったので、伝達の精度は大幅に向上しました。結果、4週間に1回の会議が不要になり、会議自体を廃止しました。1回の会議に200店の事業責任者に移動していただき、また会場の確保や準備も必要で、 毎回決して安くない経費が発生していました。会議の廃止により、年間だと数千万円単位の経費削減に繋がりました。

お客さま係の皆さんからも好評です。皆さんに聞いてみると毎日きちんと使ってくれていて。毎週火曜日にアプリから通知がいくのですが、通知を見て、「あ、今日火曜だ」って感じるという方がたくさんいました。皆さんの生活の一部、生活のリズムになっている感じがして、すごく嬉しかったですね。

運用面でも成功していると思います。Yappliなら専門知識がなくても大丈夫だと、運用は営業担当だけで運用しています。もちろん技術の専門職を置く事も検討しましたが、より現場感を熟知していたり、お客さま係とのコミュニケーションに長けていたりする人間が適しているなと。目的は、現場に寄り添って、お客さま係の皆さんを良い方向に導くためのアプリ運用だったので、とにかく現場経験があり、現場をよく知る営業担当に任せることにしました。 弊社の営業担当は、普段の業務でパソコンを触ることはほとんどありません。外回りがメインで、パソコンを操作するのは報告書や見積書を作成する時ぐらいです。それでも運用面での負担はそれほどないようです。IT専門用語がわからなくて四苦八苦することはあるみたいですが(笑)。ベテランお客さま係の皆さんも、使いやすい、わかりやすいと言ってくれています。動画がメイン、とにかく文字が大きく·少なく運営していますので、ユニバーサルデザインが実現されたアプリに仕上がっていると実感しています。

副次的な効果として、社員の再評価に繋がったということも。アプリで配信する動画は営業担当が作成しているのですが、動画から仕事に対する姿勢が伝わってきます。26歳でスーパーバイザーになった女性がいるのですが、数年前までは思うようにいかず悩んでいました。彼女は非常に研究熱心で、その仕事のプロセスはとても複雑に組み立てられた素晴らしいものでした。しかし数値結果でしか評価されず、また発表する機会すらなかった。でも動画を配信するようになってから大きく変わりました。彼女の動画には、仕事に対する考え方や情熱がしっかりと表現されており、再生数がすごく伸びるんです。結果、社内でも非常に有名人になりました。普段垣間見えない仕事のプロセスやディテールが動画にはハッキリと現れます。仕事ぶりを公平に評価される環境が新たにできたことは、結果的によかったと思います。

今後の展開

本部と現場、双方向で
コミュニケーションして、
もっと密に、人間味のある
やり取りができるようにしたい

私たちのチームは営業に専念してきました。そんな私たちがアプリを導入するなんて当初は思いもよりませんでしたが、Yappliを知って私たちの課題を解決してくれそうだと感じ、実際に導入して期待以上の成果が出ました。現状でもかなり満足していますが、ここから更にコミュニケーションを発展させていきたいです。

現在は、本部から現場への一方向の情報伝達のみなので、今後は双方向のコミュニケーションが取れるアプリに挑戦したいですね。
現場の最前線で仕事されている方と本部とのやりとりを、もっと密に、人間味のあるものにできたらいいなと思っています。そうなれば、お客さまにもより良いサービスを提供できると確信しています。

弊社でもお客さまの行動データ分析が行われています。でも私たちは現場で実際にお客様と触れ合っているので、データ分析では分かりづらいお客さまのお困り事やご要望を直接肌で感じることができます。その強みを存分に活かし、アプリに反映させ、お客さまに真摯に寄り添う事業展開をこれからも続けてまいります。

株式会社ダスキンについて
1963年、掃除用具のレンタル事業として創業した株式会社ダスキンは、当初からフランチャイズ展開を開始。日本企業では初めて国際フランチャイズ協会(IFA)に入会した。以降、ハウスクリーニングや家事代行などの役務サービス、ミスタードーナツをはじめとするフードサービスなど幅広い事業を展開。創業者・鈴木清一の哲学が込められた「祈りの経営」を理念に掲げ、「利益は喜びの取引から生まれる」という考えのもと事業推進する。

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