アプリビジネス最新レポート Vol.26【導入事例 − DoCLASSE様】

店舗起点のオムニアプリ
プッシュ通知の圧倒的効果

株式会社DoCLASSE
CMO 兼 web事業長
藤原 尚也 氏

アプリの運営を通じて
お客様のニーズを
数値で
分析できるようになりました

アプリを導入したきっかけ

これからは全世代で
ECが主流になる
その布石に潜在顧客が訪れる
店舗から
アプリへ誘導

当社は主に40代以上の女性向けのファッションを扱っており、通販で業績を伸ばしてきました。現在はメンズも扱い、全国40カ所に実店舗も構えていますが、中心となるお客さまが40代以上の女性という点、また新聞広告を使った単品商品の訴求を多くおこなっている関係上、ECよりも電話やFAXが主力の購買チャネルです。具体的な内訳は、電話・FAXが約半分、ECが25%、店舗が25%といったところです。

ただ、今はご年配の方々にもスマートフォンが広がり、IT化が進んでいます。また、30〜40代の方、あるいはこれからお客さまになっていただきたい若い方々にはスマートフォンやアプリの利用は当然で、ECも日常化しています。中長期的にブランドの今後を考える上で、もっとWeb上のコミュニケーションに本格的に注力していく必要があるのは明らかでした。

ですが、ECの競争も激しい昨今、やみくもにネット上で新規を獲得するのは難しい。そこで思い浮かんだのは、店舗という有力な潜在顧客との接点でした。店舗での新規獲得も以前から課題だったので、アプリなら、ちょっとした声かけで買わずに帰られる方々と継続的につながれると考えたのです。今あるリソースを最大限に効率よく使える仕組みとして、まずは店舗からの新規獲得に目的を絞り、昨年のうちにアプリの企画からリリースまで短期間で漕ぎ着けました。

なぜYappliか?

ファッション業界はスピード勝負
アパレルの実績と
運用しやすさがカギ

Yappliの存在は以前から知っていましたが、導入の決め手になったのは、まず実績です。アパレル商品は季節性が大きく、トレンドもどんどん変わるので、商品の寿命が短いんです。この速いサイクルに合わせるのは独特なので、アパレルの実績がしっかりあるYappliが最適だと考えました。
また、前述のサイクルの速さにも関係しますが、運用する上での操作性もとても重要です。導入するまでは現場の運用メンバーのモチベーションが高くても、想定通りの運用ができないと、いざリリースしても当初の考えと運用現場の動きが噛み合なくなってしまったり、現場にストレスが溜まってしまったりすることもあります。

大事なのは導入後にいかに使いこなせるか、継続して運用効率を上げられるかということです。その点、Yappliは日本の会社が日本で開発していることもあり、細かいところまで行き届いた使いやすさにはとても安心感がありました。加えていうなら、データ集計のしやすさです。デジタルの施策は、いかにデータを蓄積し、細かくPDCAを回せるかで大きく成果が変わってくるので、情報をしっかりと取得して分析していけることも魅力でした。

アプリを導入してどうか?

アプリ経由の売上が
想定を大幅に超えた
特に有効なのはプッシュ通知

まだ導入して間もないですが、すでにアプリ経由の売上が想定をはるかに上回っており、驚いているところです。一方で、当初の目的に設定していた「店舗に来店しているお客さまをアプリ経由でECの顧客にする(初回購入)」は目標値を下回っており、より行動を促すための改善が必要だと感じています。

アプリの告知ですが、まず店舗にはQRコードを記載したクーポン付きのチラシを置き、スタッフからも案内しています。ただ、伸びがいまひとつだったので、QRコードのほかに電話をかけるとSMSでアプリ誘導のURLを返す施策も始めました。店舗に来られる方の年齢層は全体平均より高く、アプリに慣れていないためか、現状ではこの方法も半分の割合で使われています。来店客のアプリへの誘導は、アプリ内のサービスの拡充を図るなどして強化していきます。

あとは、一度購入した方やリクエストのあった方へ送る紙のカタログと、ECで告知をしています。前者はリピーターですし、ECをご覧になる方もリピーターか、新規でもロイヤルティが高い方だと捉えています。おそらくこの方々のアプリインストールと利用が活発で、驚くほどの売上が出ているとみています。

特に何が効いているかというと、圧倒的にプッシュ通知です。LINEの公式アカウントも運用しており、同等に取れればとイメージしていますが、フタをあけてみるとずっとアプリのほうが効果が高かったんです。メルマガよりもメッセ、メッセよりもプッシュ通知のほうが効くのだろうという肌感覚はありましたが、これほどなのかと実感しました。アプリでは人気ランキングや最新ニュースなどのコンテンツも見やすいので、そこからのアクセスも多いですね。

今後の展開

AIによるチャット機能を模索中
資産であるコールセンターの
ノウハウ活かしたい

アプリの運用面では本当にいうことがなく、細かな施策も実施したいタイミングですぐに実装できているので満足しています。現状、アプリ内では決済できずECサイトへ誘導しているので、この仕様をどうするか検討中です。アパレル商材には“入荷待ち”や“キャンセル待ち”といった少し特殊なステータスがあり、これらまでアプリで申し込めるとユーザーには便利ですが、そのためにはバックエンドとのつなぎ込みが必要で、フルスクラッチに近くなってきます。アプリをどこまで充実させるかは、当社の販売戦略上で考えるべき点です。

アプリの利用促進については、前述のように、店舗を訪れる方への活用促進施策をおこなっていきます。現在のアプリのインストールチャネルなどをみてもわかるように、やはりリピーターをはじめとするDoCLASSEのファンの方の利用が多いので、店舗でも常連の方が使っている可能性が高いでしょう。なので、店舗のタイプ別にクーポンを分けるなどして、来店客の利用状況をテストする必要があると思っています。また、来店での購買履歴をアプリに紐付けるサービスや、来店時に対応してくれたスタッフが後日感想を聞いてくれるチャット系の機能も検討しています。

チャットは、ECのユーザーにももちろん有効だと思っており、いずれAIの利用も視野に入れています。元々電話注文の通販に強い当社には、コールセンターに非常に厚いノウハウがあります。本社機能とコールセンターは今もワンフロアの中にあり、お客さまの声をすぐに商品部や広報へ活かしています。

特にコールセンターのサービスがわかるのは、試着の代行です。お客さまの知りたいことに応じてスタッフが試着し、着心地などをお答えする、この対応の支持がとても高い。こうしたノウハウは一朝一夕では集められません。簡単にAIに移行できるものではありませんが、AIも学習する元データがないと機能しないので、少しでも汎用性のあるサービスに転換できないか模索しています。

株式会社DoCLASSEについて
2007年、現・代表取締役の林恵子氏が「40代以上の女性向けに」と創業したアパレルブランド。体型や似合う色が変化する時期を迎えても、きれいに着こなせるデザインやサイズ感にこだわり、新聞広告を活用した通販とECでシェアを伸ばす。2011年に店舗展開を開始し、現在は都内を中心に北海道から福岡まで40店舗を出店、またメンズやグループ会社ではシューズも扱っている。

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