アプリビジネス最新レポート Vol.63【導入事例 − 株式会社TSI様】

ECに占めるアプリの売上比率
30%を達成

株式会社TSI
デジタルビジネスDIV. ユニファイドプラットフォーム部長
兼デジタルマーケティング部長
岸 武洋 氏
デジタルビジネスDIV. ユニファイドプラットフォーム部
OMOソリューション課 チームリーダー
中島 淑子 氏

Yappliを導入したきっかけ

誰にでも扱える分かりやすさ
運用や変更の容易さが
社内での横展開や機能改善に有利

弊社は現在、国内外の約50ブランドを展開しています。2014年12月、ECサイト「MIX.Tokyo(ミックスドットトウキョウ)」のアプリ化を皮切りに各ブランドへと横展開し、今では22ブランドでYappliによるアプリを導入・運用しています(2021年7月現在)。
アプリ導入の狙いは、各ブランドに最適なオムニチャネル戦略を展開するとともに、会員カード機能によってECだけでなく店舗の売上も拡大することでした。

Yappli導入の最大の決め手はCMSが非常に分かりやすく、運用がパッケージ化されているため、デジタル人材でなくても簡単に扱える点です。アプリを他ブランドへと横展開していく上で重要なのは、ただアプリを開発するだけでなく、運用フェーズで各ブランドの特徴を活かした独自性をいかに打ち出していくかということです。Yappliの使いやすさ、運用のしやすさはその点で、とても有利でした。たとえば画面のボタン位置などの変更も簡単で、その結果をすぐに検証できる。そのためPDCAを高速で回すことができます。

また、CMSなどのアップデートも頻繁に行われており、その内容を各ブランドのアプリ担当者と共有することで、UIや機能をどんどん改善していくことが可能です。

アプリの活用方法

店舗スタッフと連携しながら
アプリのダウンロードを促進
ブランド特性を活かした施策を展開

アプリをダウンロードしていただくことでエンゲージメントが高まり、顧客定着率を向上させることができるため、ダウンロードを促進する施策を重視しています。店舗スタッフから来店されたお客様にお声がけしてアプリをダウンロードしていただき、会員登録をお願いするという流れが浸透しつつあり、手ごたえを感じています。

また、ダウンロードを促進する定期的なキャンペーンの実施やスタンプラリーなどによってアプリならではの特典を提供し、それを店舗スタッフに訴求してもらっています。
たとえば「NATURAL BEAUTY BASIC」ではマイバッグ持参でスタンプが貯まり、「SUNSPEL」ではスタッフとお客様との会話の糸口になるように、スタンプ台紙やスタンプデザインを工夫するなど、そのブランドのお客様特性に最適化した施策を展開しています。

さらにプッシュ通知の機能を活用したセールや新商品などのお知らせ、販売スタッフのオムニチャネル化を推進するサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を活用したスタッフのコーディネート投稿、CXプラットフォーム「KARTE(カルテ)」と連携したポップアップ訴求などによって、お客様にとって価値のある情報提供を目指しています。

導入後の効果

アプリでEC売上の約30%を達成
店舗と連携した施策で
ダウンロード数、アクティブ率向上

ECと店舗の施策を連携させて展開した結果、現在、アプリによる売上が弊社EC売上の約30%(全ブランド平均)を占めています。

たとえば2020年12月に「MARGARET HOWELL」のアプリで行ったクリスマスキャンペーンでは、プレゼント応募の条件として、アプリ内でお客様にお気に入りの店舗やブランドを登録していただく「お気に入り登録」の回答を必須とし、登録していただいた方には、応募を促すプッシュ通知を送りました。
それにより店舗スタッフがお客様と、アプリをきっかけにしたスムーズなコミュニケーションを取れるようになり、ダウンロード数と会員登録数を大幅に増やすことができました。
ちょうど「MARGARET HOWELL」と「MHL.」の2つのアプリを1つに統合したタイミングだったのですが、このキャンペーンの結果、アクティブ率(月間アクティブユーザー数/ダウンロード数)が2アプリ合算で15.8%から21.7%へと向上しました。
それぞれのブランドの特徴を活かした施策を考える際には、各ブランドのアプリ担当者だけでなく、店舗のマネージャーや販促チームなども加わって会議を行い、アイデアを出し合ったり、事例を共有したりしています。
STAFF STARTによるスタッフコーディネートも3ヶ月で総投稿数が3倍になるなど、店舗と社内の幅広い部署を巻き込んでアプリの活用に取り組んでいます。

今後の展望

ニーズに沿った連続性のある体験を提供
スタッフの情報発信でコミュニティ共創

店舗とECの垣根をなくし、個々のお客様のニーズに沿ったサービスや体験をいつでもどこでも連続性を持って提供する「ユニファイドコマース」の実現を目指しています。
アプリを活用して、よりパーソナライズした情報を適切なタイミングでプッシュ通知するとともに、「店舗に行く体験」をアプリでも体験できるようにしていきたいと思っています。一部のブランドで行っているチャットによる接客や来店時のプッシュ通知などを、各ブランドのアプリでも展開していきます。

お客様は店舗とECを自由に往き来されます。アプリを活用することで、来店前、来店時、来店後のお客様のそれぞれの行動を次の行動へとつなげ、より上質な体験をデザインしていくことができます。
また、それぞれのブランドがお客様に提供できる価値を突き詰めながら、スタッフがSNSなど多様なチャネルを活用して発信する情報を充実させ、お客様とのコミュニティを共創していきたいと考えています。

株式会社TSIについて
2014年3月設立。衣料品全般の企画・製造・小売り・卸および輸出入を行う総合アパレル企業。nano universeやNATURAL BEAUTY BASICなど国内外約50ブランドを展開している。ECサイト、アプリなどのオンラインと、店舗などのオフラインの接点を連携させるオムニチャネルを積極的に推進するとともに、店舗スタッフのデジタル化への取り組みを加速させている。2021年3月、直営のECサイト「MIX.Tokyo(ミックスドットトウキョウ)」をリニューアル。

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