アプリビジネス最新レポート Vol.59【導入事例 − 株式会社東京デリカ様】

顧客・店舗・ECすべてのハブへ
ユーザー数120%達成

株式会社東京デリカ
デジタルマーケティング部 デジタルマーケティングディレクター
松井 紀嘉 氏
デジタルマーケティング部 WEBデザイナー
水盛 友子 氏

Yappliを導入したきっかけ

どの窓口でも等しいCXを提供し
顧客との繋がりを実現したい
Yappliは「まるでプラモデル」

当社はもともと店舗を中心にビジネスを展開していました。ECも運営していたのですが、正直そこまで注力しておらず、お客様との接点は、ほぼ店舗に集約されていました。ただ、Yappliを導入した2016年頃は、ネット上でモノを買う行為がいよいよ普及し始めてきたなと感じていました。また、人口減少時代の今、既存のお客様との繋がりを強くもち、ロイヤルカスタマーになっていただくための戦略が必要だと考えていたのです。両者を解決するためには、店舗とECを繋ぎ、どの窓口でも同じような顧客体験を提供できるオムニチャネル化の推進と、既存顧客との繋がりを保つ仕組みが必要です。最適な手段として、アプリ導入を決めました。

Yappliを選んだのは、事前に管理画面を見せていただき、専門知識がなくても簡単に作業を行えそうだと感じたからです。外注せず、自分たちですぐに更新できるかどうかを重視していたので、管理画面のわかりやすさが決め手になりましたね。2016年当時は、Yappliのようなプラットフォーム型のサービスはほとんどありませんでした。また、積極的にAPI連携を進められているので、様々な外部サービスと繋げやすい。まるで、プラモデルのようなサービスだと感じています。本体に付属のパーツを付け足して強化していくイメージです。

アプリの活用方法

アプリはECと店舗の連携基盤へ
STAFF START導入が
店舗やスタッフの適正評価に貢献

当初、アプリは店頭で使えるスタンプ機能を有していたものの、ECで貯められるポイントの利用には対応していませんでした。2020年11月にアプリをリニューアルし、ECポイントを店頭でも利用できるようにしたのです。遂に、アプリを軸にした、ECと店舗の連携を実現できました。

また、店頭でアプリダウンロードを促すケースが多いので、アプリの登録ハードルは限りなく低く設定しています。お店にお買い物をしにきたのに、インストールや設定に時間が取られてしまうのは誰でも嫌ですよね。

リニューアルと同時に、店舗スタッフへよりスポットライトを当てるために、「STAFF START」というサービスを導入しました。スタッフがオンライン上でコンテンツを発信しやすい環境を構築し、スタッフ個々人の発信がどれだけ売上に繋がったのかを可視化できるサービスです。アパレル業界では、店舗スタッフのSNS発信が商品購入のきっかけになっていますよね。ただ単純に情報発信するだけでは、EC売上が増えても、店舗や個人を適正に評価できないと思っていたんです。「STAFF START」であれば個人の適正評価が叶い、Yappliとも連携できます。
インセンティブ制度など個人の評価制度も整備しました。まだ始めて3ヶ月程度の立ち上げ段階ではありますが、店舗スタッフからの反響を聞いていると、モチベーション向上に寄与できているのは確かだと感じています。

導入後の効果

前年比120%のユーザー数を達成
導入から約4年、
アプリは着実に存在感を増している

2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で店舗集客が難しくなった時期もありました。ただ、ECと店舗のポイントを共通化し、ユーザー体験を向上できたおかげで、アプリのアクティブユーザー数は、最終的に前年比120%まで成長しました。

Yappliを導入してもう4年になりますが、現場からはどんどん嬉しい声があがってきています。アプリでこんな特集を組んでほしい、このカテゴリでのランキングを掲載してほしいなど、アプリのコンテンツを充実させるためのアイデアがどんどん集まってくるようになりました。
最近は、アプリの情報を見て来店されたお客様から「ここに載っている商品はありますか?」と質問されるケースが増えているみたいで、店頭にアプリと連動したポップを出したりすることもあるんです。お客様の変化に合わせて、スタッフも自然と、アプリと店舗との連動性を意識し始めているんだなと思います。

また、商品の仕入れ先であるパートナー様からも、アプリに関するご意見をいただけるようになってきました。60万ダウンロードを超えるアプリに対して、パートナー様から見ても、様々な可能性を感じていただけているのだと思います。アプリをダウンロードしていただいたお客様にどのようなコンテンツを提供すべきか、パートナー様と話し合うことが増えましたし、当社に対する期待値が高まっていると感じています。

今後の展望

お客様を理解し、洗練された情報提供を
新しいチャレンジの準備を進めていく

今後、CRMを軸にした施策に踏み出したいですね。お客様の情報を元に、アプリ上で個別最適化された情報発信をできたらいいなと思います。
これまで店舗では、オペレーションを優先して、なるべくお客様情報をいただかないようにしていました。ただこれからの時代は、より深くお客様を理解した上で戦略設計しなければと考えているので、バランスを見ながら対応していきたいです。また、お客様ごとの購入履歴を元にしたマーケティングも考えています。特定のブランド品を買われた方には、そのブランドの新作情報を送信するなど、お客様が求めているであろう情報を提供できる環境を構築したいです。

他には、ライブコマースに挑戦していきたいです。今後、5年程度で5Gが普及すると予想しています。5Gが普及すれば、今よりも動画コンテンツを気軽に楽しめる状態になりますよね。それまでにライブコマース事業を本格始動できるよう準備を進めています。
加えて、今よりももっと店舗スタッフにスポットライトを当てたいという考えもあります。社内インフルエンサーを育成し、当社からカバンエバンジェリストのような、新時代のスターが生まれたらいいですね。

株式会社東京デリカについて
カバンや袋物、革コート、毛皮、靴や雑貨などを販売する。主力ブランド「SAC’S BAR」は全国に630店舗を構え、ECも展開。各店舗ごとにバイヤーの個性やセンスを活かしたMDを決定している。2016年からは自社アプリを展開し、ECと店舗のポイント共通化や、アプリコンテンツと店頭の陳列を連動させるなど、アプリを基軸にオムニチャネルを推進している。

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