アプリビジネス最新レポート Vol.61【導入事例 − リンナイ株式会社様】

BtoBアプリで
取引先との新たな関係構築

リンナイ株式会社
営業本部 営業部 eビジネス推進室 室長(課長)
亀島 直人 氏
営業本部 販売管理部 DX推進グループ 主事
加賀 将之 氏
事例ムービー
リンナイ株式会社

Yappliを導入したきっかけ

取引先様とのコミュニケーションを
アプリでブラッシュアップ
一元管理が1人での運用をサポート

元々弊社では、ガス事業者や工務店・設計事務所といった取引先様に対する情報発信を目的とした、会員制のウェブサイト「Sup-Ri-net(サプリネット)」を運用していました。しかし、人手が足りないこともあって会員のデータ分析ができず、一方的な情報発信しか行えていませんでした。営業が培ったコミュニケーションの土台があるのに活用ができていない、長年の大きな課題でした。

そんな中、社内にDXの機運が高まったことをきっかけに、BtoBサービスの立て直しの流れができてきました。DX推進グループが発足し、デジタル部門と現場の意見をすり合わせながら「取引先様にリンナイを選んでもらいやすい環境づくり」について議論を展開していったのです。2020年12月には、「Sup-Ri-net」をブラッシュアップした新しいビジネスプラットフォーム「Rinnai BiZ(リンナイビズ)」をリリースしました。

「Rinnai BiZ」は、外出先での利用を想定して、スマートフォンアプリとLINEに連携しています。アプリ開発には、Yappliを活用しました。「Sup-Ri-net」の反省をふまえて、運用者が1人でも無理なく続けられる体制にしたかったので、更新や情報配信を一元管理できるYappli一択だったといっても過言ではありません。

アプリの活用方法

コーポレートカラーの赤とグレーで
アプリデザインを統一
「リンナイ」のイメージを色で表現

まず、ビジネスサポートを目的としたアプリ自体が、「他ではなかなか聞かない」とお褒めの言葉をいただくことがあります。そんな「Rinnai BiZ」を始めてからは、週に1回、アプリでプッシュ通知の配信を意識的に続けています。サービスを開始したからには、取引先様にとってリンナイという存在を希薄にさせないよう、手を打っていかなくてはなりません。何か困ったときに、「リンナイなら解決してくれる」と思ってもらえるような状況を、「Rinnai BiZ」で作っていきたいと思っています。

また2020年に、リンナイは100周年を迎えました。その際、ブランドロゴが変更され、コーポレートカラーが策定されました。「Rinnai BiZ」アプリのデザインも、すべて徹底的に赤とグレーに統一しています。ウェブサイトに遷移しても違和感のない見え方となり、誰が見ても「これはリンナイのアプリだ」と、必ず分かってもらえるものを作り上げることができました。

アプリによる課題解決は、まだ小さな成功でしかありませんが、取引先様の方が現場でお客様に商品カタログの代わりに「Rinnai BiZ」を開いて説明するなど、しっかりと使ってくれている方は少しずつ増えてきている印象です。この関係性を、様々な業種の方々に広げていくことができるよう、サービスの認知を上げていくのが目下の目標です。

導入後の効果

週1回のプッシュ通知で
目に見えてアクセス数が向上
施策実行までのスピードに驚き

商品説明の動画を作成し、YouTubeにアップしただけでは再生数がほとんど伸びなかったのですが、プッシュ通知を配信するようになってから、その日のうちにアクセスしてもらうことが目に見えて増えました。半年で100回の再生数が、1日あたりでそれを優に超えるくらいの効果が出ています。この結果からも、プッシュ通知には手ごたえを感じています。

毎週更新する情報について、開封率は30~40%となっています。しかしまだ、どの情報が特に反応がよくなるとか、その辺りのコントロールはできておらず、アクセス数が伸びると期待したものがそうでもなかったり、予想外のものが一気にアクセスがのびたりと、効果にムラが出ているのが現状です。情報を発信する側と、情報を受け取る現場とのギャップを埋めていく作業が必要だと思いました。

「Rinnai BiZ」の利用率は高いものの、アプリのダウンロード数が伸び悩んでいる、という課題を感じていました。営業が現場ですぐアプリのダウンロードに誘導できるよう、アプリのトップ画面に二次元バーコードを載せるアドバイスをいただいて、すぐに実行しました。プッシュ通知でお知らせして、その日のうちに営業が現場で活用できたそうです。やろうと決めたことが、こんなにすぐ実行できることに驚きました。

今後の展望

目標は個々に
カスタマイズした情報発信
接点創出に
欠かせない存在を目指す

今後、達成したいことは2つあります。1つ目は受け取る人に合わせた情報発信の実現です。例えば私たちの商品は、エリアによって売れるものが全然違います。今後徐々に、寒冷地域には専用暖房機器のお知らせを届けるなど個々の需要に合わせた、会員それぞれが欲する情報だけを届けられるようにしていきたいです。

もう1つは、ウェブサイトとアプリの差別化です。現状はできることが全く同じなので、外出先で使えるアプリだからこそ、カメラ機能を活用して商品を検索できるようにするなど、更なる機能拡張を図っていきたいです。また現在、商品に二次元バーコードを付与する取り組みを行っています。アプリをご利用の取引先様がカメラを使用して、交換部品の検索や修理の依頼等が簡単にできる仕組みを作っていければと思います。

まだまだ課題はありますが、我々の取り組みは社内で評価されつつあります。弊社では、各支社・支店ごとに営業方針を掲げておりますが、いくつかの事業所で、年度始めの重点施策として「Rinnai BiZ」の活用が挙げられました。自発的なアプリ活用が進んでおり、取引先様との新たな関係構築につながる未来を信じています。

リンナイ株式会社について
リンナイグループは1920年の創業からこれまで、ガスコンロや給湯機器、暖房システムなどの提供を通し、世界中の人々の豊かな暮らしに貢献してきました。現在、リンナイグループは18の国・地域に拠点を持ち、世界80ヵ国以上に商品を展開しています。世界各国、それぞれの生活文化・気候条件・エネルギー事情に合った最適なソリューションを提供し、世界中の人々の健全で心地よい暮らしと持続可能な社会の実現に貢献していきます。

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