株式会社プレナス
マーケティング本部 マーケティング部 CRM課長
角田 雅子 氏
マーケティング本部 マーケティング部 CRM課
畠山 拓也 氏
アプリを導入したきっかけ
企業の方針のひとつとして、若年層にいかにリーチし、コミュニケーションを促進できるかを重視しています。若年層と接点を持つためには、アプリはもはや必須です。実は2017年頃からアプリ開発を何度もトライしていたのですが、フルスクラッチで作ろうとすると予想以上に費用がかかります。当社の予算感と合わず、諦めておりました。
そもそも、アプリの前にWebサイトをテコ入れするべきではないかと気づきました。会員組織の整備が必要でしたし、ネット注文機能やプロモーションページなど、それぞれのUIや導線設計もバラバラでした。まずはこれらを統合し、体制を整えようと考え、2019年9月にWebサイトのリニューアル版を公開しました。
リニューアル後のWebサイトは各機能が統一され、UIはアプリライクな設計にしています。
このデザインなら、そのままWebアプリに移行できそうだと考えたのですが、機種依存の問題があったのでアプリを作った方がいいと判断しました。フルスクラッチで作るのではなく、プラットフォーム型のアプリ構築サービスを主軸に、様々なツールを検討しました。その中で、直感的な操作やスピーディな開発、機能の充実度、全てを兼ね備えていたのがYappliでした。
アプリの活用方法
アプリの機能は、会員サービス、ネット注文、新商品の案内が主軸となっています。アプリで注文を完結させたい方が多かったのか、ネット注文を実装してから、アプリ内でのネット注文比率が想像以上に伸びていますね。
また、新ブランド「ほっともっとグリル」の認知を拡大するための導線を設計しました。アプリのTOPから、ほっともっとグリルのWebサイトへアクセスできるようにしています。ほっともっとを知っていただいているアプリユーザーをWebサイトへ誘導し、そこからほっともっとグリルも認識していただこうという狙いがあります。
加えて、ほっともっとグリルでは店舗との共同施策で来店されたお客様向けのスタンプ機能も実装しました。店頭でアプリを使って二次元バーコードを読み取ると、クーポンがもらえるというキャンペーンです。
店舗と連携する際は、キャンペーンの意図をしっかり伝えることと、店頭でのオペレーションを極力シンプルにして、負荷を軽減することの2点を意識しました。来店促進を目的としたキャンペーンであり、来店促進が売上増加に繋がる旨をしっかり理解していただき、さらに接客時のオペレーションも簡単だと認識してもらえれば、協力を得やすいからです。
他にも、アプリの使い勝手やユーザーの意見を聞くため、会員向けのアンケートを実施しています。プッシュ通知を利用して10万人に配信し、そのうち2〜3割のユーザーから回答を得られました。
導入後の効果
ほっともっとのWebサイトをリニューアルしてから、PV数は右肩上がりでした。その勢いを引き継いだのか、アプリも驚くほど順調にダウンロード数が伸びていきました。2020年4月にリリースし、11月には100万ダウンロードを突破。アプリ経由のネット注文売上も、想定をはるかに上回る数値を記録しています。もともと、お客様から「アプリはいつ出るのか」というお声をたくさんいただいていたので、ようやく需要に応えられたかたちですね。
また、4月は新生活が始まる方が多く、新規ユーザーにアプローチしやすい時期でもあります。そのタイミングを狙ってアプリをリリースしたこともあり、想定以上の成果に繋がったのではないかと考えています。
あわせて、「ほっともっとグリル」の認知拡大にも貢献できています。アプリ内にほっともっとグリルのWebサイトへの導線を設置した結果、設置前と比較して、PV数が約10倍に増加しました。そもそもほっともっとを好きな方に見ていただけているので、PVの質は良いのではないかと捉えています。
あとは、アプリならではのプッシュ通知の威力を実感していますね。プッシュ通知を送るとアプリのアクティブ率が顕著に上昇し、アクティブ率が下がりきらないうちにまたプッシュ通知を配信すれば、ある程度維持できます。送信頻度に関しては摸索中ですが、現段階では週に2〜3回程度が適切と感じています。
今後の展望
まずは、アプリ会員のアクティブ率を上げ、アプリ経由の売上をさらに獲得していくことを目指しています。引き続きプッシュ通知を活用し、デザインのリニューアルを定期的に行う予定です。アプリのトップ画面に掲載した商品は、材料が足りなくなるほど売れ行きが好調で、大いに貢献しています。
また、今後も引き続き若年層へのリーチを拡大しつつ、より深いコミュニケーションを取れるような施策を実施していきたいですね。特に、1to1マーケティングにもっと踏み込んでいきたいです。
若年層へのアプローチという点では、アプリだけでなく、デジタルマーケティング全般をより活用しなければいけないと感じています。ちなみに、当社のデジタルマーケティング戦略の中では、ほっともっとアプリは成功と捉えられています。
成功できているのは、Yappliの導入後の支援も大きな要因だと思います。アプリだけと言わず、当社のデジタルマーケティング全般に対して支援いただきたいですね。Yappliでは新たな機能がどんどんリリースされていますし、どの機能をどう活用していくべきか、これからも一緒に模索していければと思います。