アプリを導入したきっかけ
当社は、1899年に日本初のビヤホールとして「ヱビスビヤホール」を創業とし、以来100年以上に渡ってさまざまな店舗を全国に展開しています。中心となるのは「銀座ライオン」というブランドですが、その他にも多くの業態やサービスを展開しており、系列ブランド間での連携強化の一環として、3年ほど前から「クラブ LION CARD」というポイントカードの運用を始めました。この施策により、それまで接点のなかったお客さまとのコミュニケーション密度が高くなるという好感触を得たため、ブランド戦略として注力していこうと、社を上げて取り組み始めました。
一方で、ポイントカードは登録の敷居が高かったり、携帯するのをつい忘れてしまうことが多いのも課題でした。そのため、カードが持つ機能をすべてスマートフォンに移行することが解決策になるのではと検討を始めたのです。
カードからアプリへの移行を促したのは、他にも理由があります。ポイントカードが訴求できるのは「会計」単位のため、例えば4人で食事をしてもカードを提示されるのは1人です。しかし、アプリであれば「来店」という単位で4人全員に持って頂くことが可能です。有効活用すればポイントカードより効率よく会員を獲得できる可能性があります。
また、デジタルマーケティングに関する考え方も変わってきました。これまでネットでの集客は飲食店検索サイトなどが主で、各店舗でそれを運用することに注力していたのですが、スマートフォン時代に変わり、お客さまに自社や店舗の魅力をダイレクトに伝えていくことが重要になるだろうと考えています。そういった様々なことを総合的に考慮していくうちに、アプリはすぐにでも導入すべきだという結論に達しました。
なぜYappliか?
ポイントカードの置き換えという目的がありましたので、当初はそのカードの開発会社に相談しました。しかし、そこではアプリの開発やカードからの移行は難しいとのことで、紹介されたのがYappliでした。
また並行して情報収集を図ろうと、すでにアプリの運用経験がある企業などに相談をしました。しかし、大量の開発費を投入した割に費用対効果が合わず苦戦しているといった話や、OSがアップデートされた際の改修費が意外な重荷となるなどネガティブな話題が多く、やや躊躇していた部分がありました。そのような状況の中、各社からお見積をいただいたのですが、比較してみるとYappliだけ圧倒的に金額が低かったことに驚きました。またYappliはプラットフォームのため、アップデートに対応するコストも不要だと伺い、選択における大きなアドバンテージとなりました。
将来的なポイントカードとの連携について伺っても、他社ははっきりしない回答だった中、Yappliはすでに先行して導入している企業の事例も多数あったため、非常に安心感がありました。
アプリを導入してどうか?
当社の主力ブランドである「銀座ライオン」、および「クラブ LION CARD」の主な客層は40~60代となります。それ自体は大きな強みであるのですが、若年層へのリーチが弱いのは課題でした。その点スマートフォンアプリを導入したことによって、20~30代の若い方たちに認知が拡大したことは非常に大きな成果だと認識しています。これまでタッチできなかった世代のお客さまに、アプリでようやく手が届いたという感触があります。現在は、アプリ内の画像や訴求内容に関しても、若年層向けのものを増やしていく運用を心がけています。
運用に割ける人数が少ないこともあり、更新作業などはYappliの運用代行にお任せしています。もちろん、可能な限り自分たちで運用していくべきだとも思うのですが、それよりもコンテンツや配信の企画を立てることに集中したいため、運用代行は大変ありがたいサービスです。
実際の利用者の声で最も多いのは、サッポロライオンはこんなに多くのブランドを展開しているのか、というものです。これまで銀座ライオンしかご存知でなかったお客さまに別のブランドを認知していただき、さらに足も運んで頂ければ、系列店全体を含めた、レイヤーがひとつ上の「サッポロライオン」としての大きなブランドが出来上がるだろうと期待しています。
今後の展開
直近で計画しているのは、特に店舗が集中しているエリアにおいて、ジオプッシュ機能を試したいと考えています。まだ利用していないため、効果が今から楽しみです。近年、レジや予約台帳といったあらゆるものがデジタル化されていますが、お客さまとの窓口という意味では、アプリがその役割を担う代表的な存在です。その点でも今回のアプリには非常に期待しており、1~2年後に当社のデジタルマーケティングの中心としたいと考えています。
サッポロライオンはサッポロビールグループの一員ですが、グループ内で最も近くお客さまと接しているのが、当社が運営している各店舗です。その意味で今回のアプリは、サッポロビールのファンの方々と直接つながっている存在であり、グループ全体からも非常に期待されています。単に作って終わり、ということには絶対にしたくないと考えていますので、今後はアプリをグループ全体のCRMの要にすべく、できることはすべて取り組もうと考えています。