アプリの顧客ロイヤリティ効果を見る指標、ふさわしいのはNPS か LTVか

ユーザーとスマートフォンを通じて、常にコンタクトできるのがアプリの特長。そこで顧客ロイヤリティを上げるために、アプリを活用するケースもある。(※)一方でこの顧客ロイヤリティ効果をどう数値化して効果測定するか?という点は大きな悩みどころ。

ビジネスで顧客ロイヤリティの指標としてよく使われるNPSLTVについて、アプリでも応用できるかについて検証してみたい。

※アプリの顧客ロイヤリティ向上事例は、以下の記事で紹介
事例でわかる、アプリ活用で顧客ロイヤリティを向上するコツ

NPSは「他人に薦めるかどうか」という問いで数値化する指標

顧客ロイヤリティを計測する指標として、アメリカでメジャーとなっているのがNPSNet Promoter Score)。あらためてNPSの算出方法について確認しよう。

<NPSの算出方法>

「あなたは○○(製品やサービス)を友人に薦めますか?」という質問に対して、11段階で回答してもらう。その結果を、以下の3種類に分類する。

06の回答:批判者
78の回答:中立者
910の回答:推奨者

例えば100名に対して「友人に勧めますか?」という質問を行い、批判者50名、中立者30名、推奨者20名だったとする。この場合NPSは、以下の計算式によりスコア30となる。

NPSの計算式:批判者の割合(50)-推奨者の割合(20)=NPS 30

上記のようにシンプルに数値化できるのが、NPSのメリット。その一方で「算出方法が単純すぎる」「科学的な根拠に乏しい」という意見もある。アプリの場合、課金アプリもあればコンテンツを読むだけのアプリもあり、種類によって機能や目的が大きく違う。そのため他人に薦めるかという問いだけで測定するNPSでは、結果にバラつきが出るという課題があると言えそうだ。

収益につながる指標として重視されるLTV

LTVLife Time Value:顧客生涯価値)は「1ユーザーあたりの総売上」を表す指標。収益につながる数値のため、さまざまな製品やサービスの指標としてよく使われる。

LTVの計算式:1ユーザー当たりの平均売上額 × アクティブユーザー数 × 平均継続期間

計算式の通りLTVにはユーザーが購入するだけではなく、ユーザーの利用頻度や利用期間も影響する。この点から、LTVが高いことは「愛着を持って長期間サービスを使い続けてくれる、顧客ロイヤリティの高い人が多い」ともとれる。

ただしアプリでLTVを考えるときは注意が必要だ。例えばゲームなどの課金型アプリであれば比較的LTVにつながりやすいが、他のアプリには売上に直結しない他の機能も多く搭載されることがほとんどだ。そのためアプリのアクティブユーザー数や継続期間がLTVと直結しないこともよくある。

例えばオムニチャネル戦略をとるショップブランドのアプリで考えてみよう。購入頻度や金額は低くても、アプリのシェア機能やコンテンツなどを頻繁に利用する人はそれなりに多いはずだ。こうしたアプリではLTVにつながるプロセスを細分化しにくく、LTVと顧客ロイヤリティとの関係性が見えづらい。LTVを指標として見るのは、難しいだろう。

アプリの場合、さまざまな指標を組み合わせるしかない

NPSLTVも、アプリの効果測定には重要な指標ではある。しかし、それぞれ単独で顧客ロイヤリティ効果を見るには課題も残る。やはりできるだけアプリの目的や種類にあわせ、複数のKPIを見ておきたい。

そこで代表的な3種類のアプリで、顧客ロイヤリティに影響するKPIのパターンを紹介しよう。


1)ECアプリ
・アクティブ率
・リピート率
・購入率

2)オムニチャネルアプリ
・アクティブ率
・リピート率
・店舗への来店率
・購入率

3)コンテンツアプリ(ニュースサイトやオウンドメディアなど)
・維持率(ユーザー定着率)
・読了率(最後までユーザーの割合)
・知人・友人へのシェア率(SNSシェアボタンを押したユーザーの割合)

なお、上記のような複数の指標を効率的にチェックするには、アプリを開発する時点で適切なアクセス解析ツールの導入が重要となってくる。