横浜市健康福祉局
障害福祉保健部 障害施策推進課
田辺 興司 氏 / 田中 恵 氏

障害者とご家族に
最適化された、
横浜市の思いが
詰まったアプリ

この事例の結論・要点
  • 動機
    • 冊子版「障害福祉のあんない」の課題を解決
    • アプリで必要な情報をより素早く簡単に提供
    • スピーディーな開発と、運用の容易さが決め手
  • 活用
    • サービスや施設などを簡単に調べられる
    • 専門知識がなくてもアプリ運用がとても簡単
    • ユーザーからの要望を即座にアプリに反映
  • 効果
    • 冊子版の部数を5,000部減らし、コスト削減
    • 総ダウンロード数は毎月着実に増加中
    • プッシュ通知で個に向けた情報発信が可能に

Yappliを導入したきっかけ

機能、操作性、運用のしやすさ、
スピーディーな開発、コストなど
すべての条件を満たしていた

横浜市の人口は約377万人(2022年4月1日時点)。そのうち身体障害者手帳所持者は約9.9万人、愛の手帳(療育手帳)所持者は約3.5万人、精神障害者保険福祉手帳所持者は約4.4万人(いずれも2022年3月31日時点)となります。以前から障害のある方ご本人や、そのご家族、障害福祉サービス事業者など支援者の方々向けに、障害福祉の制度などの情報をお伝えする「障害福祉のあんない」という紙の冊子を発行してきました。内容は毎年更新されるので、最新版を窓口に取りにお越しいただく必要があります。横浜市のホームページにも同じ内容は載せているものの、障害福祉についてだけ知りたい方にとっては、決して使い勝手がいいとは言えませんでした。また、印刷スケジュールの都合上、発行日間近などに更新された最新情報を冊子に掲載しきれないこと、配布対象者が年々増えているがゆえの印刷コスト増加といった課題もあり、これらを包括的に解決するために「横浜市障害福祉のあんないアプリ」をリリースしました。

重視したのは、スピーディーに開発が行える点と、ITの専門知識がなくても容易に運用できる点。これらを満たし、最も低価格でご提案いただいたのがYappliでした。

アプリの活用方法

ユーザーからのご要望をわずか
数日で反映できるスピードに感動

当アプリでは、障害種別・程度や暮らしのカテゴリーから利用できるサービスを調べたり、キーワードで検索したりすることができます。また、地図から施設・事業所を探すことが可能になりました。従来は窓口でお問い合わせをいただくことが多く、その際は地図を広げ、住所をもとに最寄りの施設や事業所などを調べていたのですが、アプリを使えば現在地からどこが近いかがすぐにわかり、経路も表示されるため、利用者さまにとっても職員にとっても非常に便利です。

現在、アプリは3名で運用していますが、専門知識がなくても管理画面から簡単に更新できるのがとても良いですね。具体例を挙げると、アプリを公開してからしばらく経ったある日、アプリの利用者さまから改善ご要望のメールをいただきました。アプリには利用者が該当する障害者手帳の内容を記載する項目があるのですが、当時は1人分しか登録できない仕様でした。しかし、メールをくださった方のご家族には手帳を保有する方が2名いらっしゃり、もう一人分登録できないかというご相談でした。そこですぐに改修し、登録できる手帳の人数を複数人にしました。驚いたのは、この改修にかかったのはおよそ1〜2日というスピード。いただいた意見を即座に反映できたのがとてもありがたかったですね。

導入後の効果

届けたいユーザーにだけ
情報を届けられる
プッシュ通知を積極的に活用

アプリ導入によって冊子版「障害福祉のあんない」の2022年度印刷部数を5,000部削減することができ、印刷費などのコスト削減が実現しました。アプリのダウンロード促進については主に、窓口へ冊子を取りに来られた方や新しく障害者手帳を取得された方に、職員がアプリを紹介するチラシをお渡しし、口頭でアプリの便利な点をお伝えしています。ダウンロード数は約4,800(2022年12月)で、毎月のダウンロード数は着実に増加し続けています。

アプリによって情報が届きやすくなっている実感がありますが、特にインパクトが大きいのはプッシュ通知の存在です。というのも、障害者の方々が過ごしやすくなるために横浜市が取り組もうとしていることなどをお伝えする市民説明会を定期的に実施しているのですが、その告知方法に課題がありました。従来は、区役所などの窓口にいらした個々人にお知らせするか、市の広報誌・広報番組などの、いわばマス向けのメディアを使うかという、両極端な方法しかありませんでした。しかし、アプリ導入後は説明会の対象者さまにプッシュ通知で効率よくお知らせできるように。Yappliによるサポート体制も手厚く、ユーザーの方々から寄せられる様々な要望に関しても気軽に相談することができるため、安心感を持って運用することができています。

今後の展望

行政をもっと身近に
感じてもらうために
災害発生時の情報提供なども検討中

今後はアプリをもっと活用して、障害のある方やそのご家族と行政との距離感をより縮めていきたいです。先ほどプッシュ通知によって、届けたい情報を届けたい方々により伝えやすくなったという話をしましたが、こちらから情報を一方的に伝えるだけではなく、コミュニケーションのきっかけをつくれればと思っています。例えば、横浜市の行政計画である「障害者プラン」を策定するにあたっての説明会やパブリックコメント(市民からの意見募集)の予定をプッシュ通知でお知らせするなど。従来は特に、年齢が若い障害者の方々からの意見をお聞きする機会をなかなか得られなかったのですが、プッシュ通知などを使えばこれまで接点がなかった方々とも繋がりやすくなると思っています。積極的にコミュニケーションを生み出し、行政をより身近に感じていただき、対話の入口にしたいと考えています。

また、プッシュ通知で身体障害者手帳などの更新時期を個別にお知らせすることや、災害発生時の避難に役立つ情報をご提供することも検討しています。災害発生時、様々な場所にいる多くの方々に即座に情報を提供できることはアプリの大きなメリット。例えば、災害時に透析を受けられる病院をお知らせするなど「あると便利」から「あって助かった」というような一歩踏み出した情報提供を進めていきたいと考えています。

横浜市について
1859年の開港以後、進取の気風と市民参加の意識を原動力として、大きく発展。障害福祉保健分野でも、昭和40年代頃から現在に至るまで、市民主体の地域活動を行政が支え、現場に即した支援を充実させ続けている。現在は第4期障害者プランを展開。その基本目標は「障害のある人もない人も、誰もが人格と個性を尊重し合いながら、地域共生社会の一員として、自らの意思により自分らしく生きることができるまちヨコハマを目指す」。
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